帝国データバンクの調査によると、社長の平均年齢は毎年上がり続け、今や「60.4歳」だ。日本企業は緩やかに高齢化している。
この点について営業戦略の観点で問題になるのは、社長と近い年齢で働いてきた、会社を支える敏腕営業が大量に離職していく問題である。社長年齢に近い社員とは、世代で言えば40代後半〜60代の「バブル世代」になる。
バブル世代は最後の大量採用世代とも呼ばれており、会社によってはこの世代の営業社員を多く抱えている。彼らは定年退職年齢に近づいており、今後は大量に会社から離職していく。
そうなると、社長の近くで働いてきた営業社員のスキルを資産としていかに残すかが企業にとって課題になる。これに営業のデジタル化、DXがどのように応えているのかの実態を解説する。
ストレートに言えば、バブル世代のデジタル順応度は非常に低い。営業企画の社員は、営業の管理ツールである「SFA」を入力しないバブル世代の営業に対し、いつも愚痴を漏らしていることだろう。
皮肉なネタとして、営業の「隠し球文化」は有名な話だ。バブル世代の営業は、受注間近の案件の情報や、自身の営業ノウハウなどを隠して持っておくような思想が根強い。
しかし、バブル世代の営業力は世代間の中でも相当に高い。社長の平均年齢が60歳であることを考えると、営業先で最もトークに花が咲くのもバブル世代だろう。顧客の経営層に対して、強くグリップできる同年代の営業社員は貴重だ。そのため、バブル世代の高い営業力を「会社の資産」として残さなければならないという考えに至る会社が出てきている。
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