やや前置きが長くなってしまったが、今回は「店舗」の話である。バーガーキングは自分たちのことを「弱者」と認めているわけだが、実はここ数年、店舗数をぐんぐん伸ばしている。
バーガーキングは米国発のハンバーガーチェーンで、パティの直径が約13センチの大きなハンバーガー「ワッパー」が人気を集めている。日本に上陸したのは、1993年のこと。しかし、低価格競争などの影響を受け、2001年に撤退。07年に再上陸するものの、19年5月に99店舗のうち22店舗が閉鎖することになって、「また撤退かよ」といった声が飛び交ったが、その後、出店戦略を見直すことに。
しかし、しばらくしてコロナ禍に突入する。多くの飲食店が店舗数を減らす中で、同社は逆張りのようなカタチで、わずか3年ほどで100店から200店に増やしたのだ(10月26日時点)。
このような数字を目にしても「いやいや、ちょっと待って。コロナ禍でもテークアウトできるハンバーガーチェーンは好調だったよね。だから店舗を増やせたんじゃね」と思われた人もいるかもしれないが、確かにそういった側面もある。ここの店舗も撤退、あっちも撤退となれば、空きスペースができる。そうなれば賃料も安くなって、バーガーキング側にとってはフォローの風が吹いていたかもしれない。
しかし、ビジネスの世界はそれほど甘くはない。ひょっとしたら「名前の通った会社がハンバーガー店を運営すれば、簡単にもうかる」といったイメージをもたれているかもしれないが、そんなことはない。
ロッテホールディングスは23年4月、ハンバーガーチェーン「ロッテリア」の株式をゼンショーホールディングスに売却。国内3位の店舗数を誇っていたわけだが、ここ数年は苦戦が続いていた。店舗を引き継いだゼンショーHDは9月、新ブランド「ゼッテリア」1号店をオープンしたが、今後の展開は不透明なところもある。
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