オフィスでデスクワークをしていて、不意に上司や同僚から声をかけられてギクッとした経験がある人は、どれくらいいるだろうか。中には、業務が中断したり、長話に発展したりするのを嫌う人もいるようで、欧米では「デスク・ボミング」(デスク爆弾)といった造語が生まれているという。
アフターコロナでオフィスに行く機会も増えつつある今、ストレスのかからない「ちょうどいい雑談」はどうすれば生まれるのか。飲料大手サントリーが、『雑談の正体』などの著書がある清水崇文・上智大学教授と協力し、ヒントとなりそうなユニークな調査を行った。
「仕事頑張ってるね。最近どう?」
話したい相手の机に近付き、気軽に話しかける。コロナ前のオフィスではよくあったと思われる光景だが、「デスク爆弾」といった言葉が生まれ、一種の迷惑行為と受け止められているようだ。
デスク爆弾はなぜ嫌われるのか。
「雑談をしたい人と、そこまでしたいわけではない人が、合意なく雑談している状況がデスク爆弾」
こう説明するのは、言語学の観点から雑談について研究している上智大学言語教育研究センターの清水崇文教授だ。
例えば、カフェや居酒屋に集まって1時間単位で言葉を交わす雑談。これは「雑談したい」という共通の目的を持った人たちが集まっているから問題ない。一方でデスク爆弾は、「雑談したい」という共通の目的が双方にあるわけではない。雑談したいわけではない相手にとっては、雑談の時間が長く感じられてしまう。こうした点が、デスク爆弾がネガティブに捉えられる一つの要因だという。
「デスク爆弾を受けたことで、雑談はよくないものと思い込む人もいるかもしれない。それは非常にもったいない」(清水教授)
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