自販機に搭載されている、もう1つの機能は「AIカメラ」である。自販機の上部にカメラを設置していて、通行量や一定時間立ち止まった人数のほかに、通行者の年代・性別のデータも取得できる(個人情報は含まれていない)。
AIカメラを設置して、どんなことが分かってきたのか。通行人の比率を見ると、男性43.5%に対し、女性56.5%。年代別に見ると、30代が最も多く32.6%、次いで40代が28.6%、20代が12.8%……といった数字が分かってきた。
もちろん、どんな人がどの時間帯に購入しているのかといったことも分かる。購入層は当初20〜30代の女性が多いかなと予想していたが、データを見ると、40〜50代の女性も多いことが明らかに。
時間帯で見ると、朝はジュースがよく売れて、夕方から夜にかけてはサラダの人気が高まる。「会社に出社する前にジュースを買って、家に帰る前にサラダを購入する人が多いようですね」(新井さん)。とまあ、ここまでの結果はほぼ予想どおり、といったところである。
では、AIカメラが認識する通行人のうち、どのくらいの人が購入しているのだろうか。京王井の頭線の渋谷駅を乗り降りするのは、1日に23万人ほど。そのうち、自販機の前を通るのは1日に3万人ほど。そのうち、立ち止まる人は1日に3000〜4000人ほど。そのうち、購入するのは1日に30〜40人ほど。
つまり、カメラが認識する通行人のうち、「0.13%」が購入していることが分かってきたのだ。1通行人当たりの売り上げは、「0.7〜1.5円」になる。
この数字を目にしても「う〜ん、まだ設置して1年がたっていないんでしょ。データが不足しているのでは」などと思われたかもしれないが、そうでもないようだ。汐留にあるビルに設置したところ、ほぼ同じ数字となった。「2週間から1カ月ほどカメラを設置すれば、その統計データをもとに売り上げを予測できるようになりました」(新井さん)
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明大前駅に“さまざまな自販機”を設置して、どんな商品が売れたのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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