PayPay証券「クレカ10万円積立、対応していく」 10%還元キャンペーンも

» 2023年12月12日 13時20分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 2024年から始まる新NISAに向けてPayPay証券が攻勢を強めている。12月12日に行った会見で、PayPay証券の番所健児社長は「クレカ積み立ての上限金額拡大は、NISAデビューの人にとっていい話。ローンチ時期は明言できないが、積極的に10万円に対応していく」と話した。

クレカ積立10万円に「積極的に対応していく」と話すPayPay証券の番所健児社長

 クレカ積み立ては、クレジットカードを使って投資信託の積み立てが行える仕組み。カード利用のポイントが還元されることから、ライトなユーザーが積み立てを行う起爆剤となった。現在はSBI証券、楽天証券をはじめ、マネックス証券、auカブコム証券など各社がクレカ積み立てを提供している。

 ただしクレカ積み立てには上限金額に関する規制があり、これまで各社横並びで月額5万円となっていた。しかし新NISAでは年間120万円の積み立て枠があるため、クレカ積み立ても規制を緩和する議論が金融庁でも行われており、近く10万円に拡大する見込みだ。

これまでの上限5万円から10万円への拡大が議論されている(金融庁資料より)

 業界で最初にクレカ積み立てをスタートしたtsumiki証券は、いち早く10万円への対応を発表済み。PayPay証券は正式な規制緩和を待って対応する考えだ。

 PayPay証券は、商号を変更しPayPayとの連携を深めてから急速に口座数が拡大。23年3月末からの8カ月で、口座数は約1.5倍となる80.5万件まで増加した。また10月から申し込みを受け付けたNISA口座も、2カ月で10万件を突破した。

 番所氏は「投資する証券会社について、どのブランドかよりも、使いやすさとポイント経済圏を意識する人が増えている」と話す。PayPayのポイント経済圏を生かし、初心者層の取り込みを目指す。

 クレカ積み立てにおいてはポイント還元率に注目が集まる。当初1%を還元していた楽天証券は、還元率を0.5%に下げてから伸びが減速した。一方、還元率を最大5%までアップさせたSBI証券の伸びは鋭い。

 PayPay証券でマーケティング本部長を務める佐藤康介執行役員は「ポイント経済圏において還元は重要。ただしポイントをバラマキ続けることはサステイナブルなのか。他社の状況、ユーザーニーズを踏まえて(PayPayが)還元率を決定した」と話す。PayPay証券のクレカ積み立ての還元率は現在0.7%だ。

 基本の還元率アップには慎重だが、キャンペーンで強化は行う。PayPay証券のNISA口座でPayPayによる積立購入を行った場合、積立額の10%をポイントを還元するキャンペーンを1月1日から3月31日まで行う。また100回に1回の確率で全額還元も併せて実施。ただし、10%還元は月間1000ポイント、全額還元は10万ポイントが上限だ。

キャンペーンで3カ月間、積立額の10%を還元するキャンペーンを行う。ただし上限1000ポイントなので、5万円を積み立てた場合の還元率は2%だ

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