マーケティング・シンカ論

箱根駅伝イメージした「駅伝パック」 ナイキ筆頭に、三つ巴のシューズ争い勃発新たなトレンドになるか(2/3 ページ)

» 2024年01月02日 08時00分 公開
[酒井政人ITmedia]

プーマは22年から、アディダスは23年から販売

 ナイキの「EKIDEN PACK」が浸透すると、他メーカーも追随する。プーマは22年冬から「EKIDEN RUSH PACK」を展開している。

 パッケージは「FAST-R ニトロ エリート 2」(3万5200円)、「ディヴィエイト ニトロ エリート 2」(2万9700円)、「FAST-FWD ニトロ エリート」(3万1900円)、「ディヴィエイト ニトロ 2」(2万2000円)の4モデルだ。3つがレース用、1つがトレーニング用ともいうべきシューズになる。

EKIDEN RUSH PACK(画像:プーマ ジャパンのプレスリリースより)

 全ての駅伝ランナーの襷への想いを表現したデザインで、今回のモデルは個性と速さを表現したエネルギッシュなサイケデリックカラーリングになっている。プーマは前回の箱根駅伝で、シューズ着用者を前年の1人から7人に急増させている。第100回大会では独特なイエローカラーのシューズがさらに目立ちそうだ。

 そして、23年の冬にはアディダスも「ADIZERO EKIDEN COLLECTION」を展開した。同社初となる「EKIDEN」の名を冠した包括的なアパレル&シューズのコレクションだ。年末年始の駅伝レースを強く意識しており、レッドとゴールドのアクセントを基調としたデザインが共通している。これは日本の最高峰である富士山が、朝日に照らされて赤く染まる「赤富士」をモチーフにしているという。

「ADIZERO EKIDEN COLLECTION」(画像:アディダス ジャパン公式Webサイトより)

 コレクションに含まれているシューズは全7モデル。上りでも下りでも威力を発揮する「アディゼロ タクミ セン 10」(2万2000円)、爆速レーシング厚底モデルの「アディゼロ アディオス プロ 3」(2万6400円)、ハイパフォーマンスモデルの「アディゼロ ボストン 12」(1万8700円)、幅広いシーンで活用できる「アディゼロ SL」(1万4300円)、エントリーモデルの「アディゼロ ドュラム スピード」(9350円)、タフな走り込みをしたいランナーに向けた「アディゼロ RC 5」(1万1000円)、ルール度外視の超爆速モデル「アディゼロ プライム X 2 ストラング」(3万9600円)だ。

 同コレクションの発表会には、同モデルを着用予定の國學院大の主力選手が登場。シューズの感想だけでなく、箱根駅伝への意気込みを語っていた。さらにアディダス マーケティング事業本部 ブランドアクティベーション シニアディレクター山本健氏は、箱根駅伝に向けて「50%を中期的なベンチマークとして、ランニングカテゴリーを強化していきたい」と気合十分だった。

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