マーケティング・シンカ論

箱根駅伝イメージした「駅伝パック」 ナイキ筆頭に、三つ巴のシューズ争い勃発新たなトレンドになるか(1/3 ページ)

» 2024年01月02日 08時00分 公開
[酒井政人ITmedia]

 箱根駅伝に出場する大学の多くは、各スポーツメーカーから「ウェアサプライヤー」を受けており、ユニフォームなどのウェアが提供されている。一方でシューズに関しては、パフォーマンスに大きく影響することもあり、選手が個々で選ぶケースが多い。

今年も1月2日から箱根駅伝が放送される(画像:第100回東京箱根間往復大学駅伝競走公式Webサイトより)

 近年は箱根駅伝ランナーのシューズシェア率が注目を浴びている。第99回大会(2023年)は以下の通りだった。

  • ナイキ:130人(61.9%)
  • アディダス:38人(18.1%)
  • アシックス:32人(15.2%)
  • プーマ:7人(3.3%)
  • ミズノ:1人(0.4%)
  • ニューバランス:1人(0.4%)
  • アンダーアーマー:1人(0.4%)

 当然、各スポーツメーカーは出場選手に自社のシューズを履いてもらうために“営業努力”を重ねているが、近年「箱根駅伝」のブランド力を生かした別のPRにも力を入れている。

 その一つとして注目を集めているのが、12月に発売している「駅伝パック」ともいうべきシューズのコレクションだ。

箱根駅伝を模したシューズ 先駆者のナイキ、追うプーマとアディダス

 最初に仕掛けたのは、箱根駅伝のシューズシェア率も高いナイキだ。18年の冬から「EKIDEN PACK」を販売している。選手が正月の駅伝を駆け抜ける風景からインスピレーション受けてデザインされたシューズとアパレルからなるコレクションだ。

ナイキの駅伝パック「NIKE EKIDEN PACK」(画像:ナイキ公式Webサイトより)

 広告ビジュアルにはナイキが契約を結んでいる駒大、中大、東洋大、明大、東海大、名城大(女子)のエース級ランナーを起用。今回のモデルは、速さへの革新を表すボルトカラーとネオンピンクを左右にあしらったアシンメトリーな配色が印象的なデザインで、ミッドソールにはレトロな書体で「ナイキ駅伝」の文字が刻まれている。

 ラインアップは「アルファフライ 2」(4万150円)、「ヴェイパーフライ 3」(3万6850円)、「ズーム フライ5」(2万900円)、「ペガサス40」(1万7600円)、「ライバルフライ 3」(9900円)の全5モデル。レース用2足、トレーニング用2足、入門モデル用1足となっている。

アルファフライ 2(左)、ズーム フライ5(画像:ナイキ公式Webサイトより)
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