2024年春ダイヤ改正、どうなる首都圏の通勤事情杉山淳一の「週刊鉄道経済」(6/6 ページ)

» 2024年01月13日 08時28分 公開
[杉山淳一ITmedia]
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その他通勤電車の変化

 横浜線は一部列車が京浜東北線・根岸線に乗り入れるほかは、東神奈川駅折返しで横浜駅に到達しない。京浜東北線の容量の問題と思われる。しかしダイヤ改正からは6時台に根岸線直通が1本増加。逆向きの根岸線からは7時台に1本増える。このほかの時間帯も合わせて、平日は5往復の乗り入れ増加、土休日は7往復の乗り入れ増加だ。

 相鉄・JR直通線が現在の始発列車より早い時間帯に1本設定する。現在の横浜羽沢国大駅始発は6時5分、新たな列車は5時47分発で、新宿着6時24分だ。この列車は相鉄線からの直通となるけれども、相鉄線側の時刻は未発表となっている。新宿駅は現在の6時58分発海老名行きの前に、6時31分発海老名行きを設定する。こちらも相鉄線内の時刻は未発表だ。相模鉄道は3月16日のダイヤ改正実施のみを告知している。

 同じく相鉄線に直通する東急電鉄は、平日6時台に日吉〜新横浜間で1往復を増発する。この列車が相鉄線に乗り入れるか、新横浜線止まりになるかなどは現時点では明らかになっていない。通勤時間帯から離れるけれども東急電鉄新横浜線は平日日中に12往復、土休日に16往復を増発し、日中は1時間当たり16往復にする。新横浜シフトが強まる。田園都市線、大井町線、池上線、東急多摩川線、こどもの国線、世田谷線におけるダイヤ改正は「ない」と明言している。

 相鉄線と字が似ている相模線のほうは、5時台の橋本発海老名行き、20時台の海老名発橋本行きを2本ずつ設定する。どちらも現在海老名〜茅ヶ崎間の列車を延長する形だ。ただし海老名駅21時50分発の茅ヶ崎行きは取りやめとなった。少し増えて、ちょっと減るという感じ。

 東武鉄道は夜間帯の野田線直通「アーバンパークライナー」の運転取りやめ。通勤時間帯以外で特急「スペーシアX」「スカイツリーライナー」「リバティ」の増発と増結がある。

 このほかに日中の変化、新型車両の導入、ワンマン化などもあるけれども割愛した。JR東日本のダイヤ改正だけを見ると、東北本線や高崎線でも快速列車の各駅停車化があるほか、増発の一方で「他の路線でも見直しがあります」と付記しており、利用状況を見ながら臨機応変に対応していこうという姿勢が見える。京葉線快速問題も含めて、春以外にもダイヤ修正が行われるかもしれない。ちなみにJR東日本は21年10月、22年10月もダイヤ改正(修正)を実施している。

相鉄・JR直通線に直通する埼京線電車(出典:写真AC、E233系埼京線

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてパソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICETHREETREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。


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