中高年男性向けのオールインワン化粧品という新市場の開拓にあたり、発売初期にサントリーウエルネスが注力したのが「体験の提供」だ。「普通に売っても売れないと思ったので、とにかく試してもらった」と西山氏。中でも、人から手渡ししたギフトボックスは効果が高かったそうだ。
「ヴァロンの発売にあたり、全社員を集めて協力を仰ぎました。まずは全役員にギフトボックスを配布、自身で効果を体感した役員をアンバサダーに任命し、会食などでお会いした方への手土産としてギフトボックスを配ってもらいました」
サントリーの営業先の一つである高級クラブでは、ママが顧客に渡す手土産としてギフトボックスを提案。さまざまな手法による手渡しでの配布は、向こうから“おかわり”がくるほど好評だった。これまでに総数で約4万箱を配布しており、体験を通して購入にいたる人が少なくないという。
同時に使い切りのパウチのサンプリングをゴルフ場、温泉施設、ホテルなどで配布。これまでに約100万セットを配ったそうだ。
「日焼けをしたあと、汗をかいてシャワーを浴びるタイミングなどスキンケア製品を使うタイミングを捉えて、サンプリングしました」
同社のホームユース調査(※)では、使用感満足度が高く出ている。10日間のサンプル使用に対し、91.1%が使用感に満足したと回答(全7段階のうち「とても満足」「満足」「やや満足」と回答した人の割合)した。数値は非公開だが、同社の製品のなかでもリピート率は極めて高いという。
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非売品なのになぜ? サントリーが「社内専用ジャンパー」にこだわる理由Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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