ワタシのことが好きでしょ? え、なんで分かったの? “ときめき”を可視化するイヤリングが面白い週末に「へえ」な話(3/4 ページ)

» 2024年01月20日 08時30分 公開
[土肥義則ITmedia]

ちょっと気になることも

 商品の販売がスタートしたのは、2023年4月のこと。これまで実証実験を40件ほど行っているわけだが、話を聞いていて面白く感じたのは、愛媛県で行われた婚活イベントである。この類のパーティーに参加した人から「彼女ができない」「いい人がいなかった」といった声を耳にすることがあるが、婚活イベントの参加者にe-lamp.ONEをつけてもらったのだ。

 イヤリングが赤く点灯するたびに、参加者はこのように感じていたのかもしれない。「この人は、ワタシを見てドキドキしている」「お、この人はオレとしゃべっていて、ときめいているぜ」と。イヤリングの色をチラチラ見ながら、会話がさらにはずんだのかもしれない。これまでマッチング率は1割ほどだったのに対し、3割に上昇したそうだ。

 もちろん、このデバイスを付けたことによって、マッチング率が伸びたかどうかの因果関係はよく分からない。いまのところ証明されたわけではないが、継続することで何らかの関係性が見えてくるかもしれない。データ量はまだまだ少ないが、実証実験での結果を見る限り、婚活イベントとe-lamp.ONEの相性はよさそうである。

さまざまなシーンで使えそう

 ……と、ここまで書いていて、ちょっと気になることも。「ときめいていないのに、赤色になっちゃったよ」といったケースがあるのではないか。逆に「ときめいているのに、赤色にならなかったよ」といったこともあるかもしれない。なにも製品にケチをつけようとしているわけではない。会話がはずんでいると思っていたのに、相手のイヤリングが赤色にならなければどうなるのか。「あの人は、オレと話をしていて楽しくないのかな」と感じるかもしれない。

 イヤリングを付けることによって、コミュニケーションの“そご”が生まれてきそうだが、このことについて山本さんはどのように見ているのか。「e-lamp.ONEを付けることによって、全ての感情が分かるわけではありません。血流が変化して、心拍数が上がったのか、下がったのか。数値の変化を表現することはできますが、なぜ赤色なのか、なぜ青色なのか。人間の感情を正確に当てることはできません」とのこと。

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