9200キロ先にアバター 2025年、見たことない世界示せるか(4/4 ページ)

» 2024年01月21日 09時00分 公開
[産経新聞]
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来場難しい人も平等に参加

 NTTはアイオンのほか「バーチャル万博」も計画。仮想空間に万博会場を再現し世界中からアクセスしてアバターで回遊できるようにする。障害や高齢で来場が難しい人も、平等に万博に参加できる取り組みだ。

 1970年万博ではワクワクする未来を夢見ることのできる最新技術が示され、その後、実現し普及していった。2025年万博で示される技術はどうあるべきなのか。

 大阪公立大の橋爪紳也教授(都市文化論)は、25年万博で示される技術は「一人一人の異なる消費性向」を前提に「多様な幸福をもたらすもの」であるべきだと指摘。技術の優秀さだけでなく「いかに世界の人々に貢献できるかを示すことが重要だ」と語る。

 25年万博には延期論や中止論など逆風も吹く。1970年万博と同じく「明るい未来の予想図」を描き出せるのか。

 橋爪氏はこう話す。

 「陳腐な紋切り型の理想社会像ではなく、日本発の『見たこともない素晴らしい未来』の可能性を示せれば成功だ」


 来年4月の開幕まで1年3カ月に迫った2025年大阪・関西万博。大成功を収めた1970年大阪万博から半世紀を経て、未来図を占う万博はどうあるべきなのか。連載第1部では、万博が描き出す夢を象徴する最新技術を通して考える。

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