便利で快適な乗り物を追求する人類の願いに際限はない。すでに電気で走る自動車は普及した。近い将来、“クルマ”が空を行き交う世界は実現するのだろうか。
大阪湾を舞う白い機体は、驚くほど静かで機敏な動きをみせた−。
昨年12月中旬、2025年大阪・関西万博の会場となる人工島・夢洲(大阪市)近くの大阪ヘリポートで行われた「空飛ぶクルマ」の実証実験。会場の行政関係者や子供たちが離陸を待ち続けた緊張がゆるんだ瞬間、目の前の機体が勢いよく垂直に高度20メートル付近まで浮かび上がった。
「ほぼ何も聞こえないはずだ。まずは騒音の低さを強調したい」。実験を行ったドイツ・ボロコプター社幹部のクリスチャン・バウアー氏は声を張り上げた。
機体は兵庫県尼崎市方面に向かった後にターン。子供らは歓声をあげ、万博での空飛ぶクルマ実現を喧伝(けんでん)してきた大阪府の吉村洋文知事は興奮した様子でいすから腰を浮かし、空へとスマートフォンを向けた。
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