エンジニアたちは頭を抱えた。20キロも増えて価格も上がる。それで提示できるメリットが「ハッキングされなくなります」じゃ何の説得力もないことは彼らも分かっている。ならばということで、規制適合で交換を要する電子・電気パーツを使って改良できるところを改良した。重量と価格の差分を納得してもらえるだけの価値を、電子・電気部品のリニューアルに乗じて新たに作り出すのだ。
全部はとても書けないので、代表的なところを抜き出そう。まず電子装備周りから。ナビの画面サイズが8.8インチに大きくなり、マツダ・コネクトがアップデートされた。マツダ3のモニターを流用したいところだったが、ロードスターの着座位置とインパネの高さ、助手席エアバッグの位置関係だと残念ながら流用できない。これは専用に余白の少ないモニターを設計し直した。
次にADASである。前車追従型クルーズコントロールと、衝突軽減&後退サポートブレーキ。まあこれらの装備については、従来「ライトウェイトは食わねど高楊枝」を決め込んできたが、ついに時代に押し切られたともいえる。重さと引き換えなのが癪(しゃく)ではあるが、実用上は利便性が上がるのも確かである。嬉しくとも大して嬉しくもない顔をしておくのが作法というものだろう。
次にエンジンだ。こちらは日本のハイオクガソリンのオクタン価に合わせた専用セッティングを行い、出力が3kW増え、100kW(136ps)にアップした。
もうひとつ、MT車のみではあるが、スタビリティコントロール(DSC)にトラックモードが追加されて、サーキット走行時に、ドライバーの意思を優先し、ドライバーがコントロールが可能な範囲では最後の最後まで制御を入れず、それを超えたところで初めて制御が介入するDSC-TRACKが加わった。
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