さて、今回の刺客は何かといえば、インターネットにつながる機器のセキュリティを高め、「ハッキングされない」仕様にするための法規制だ。だが、本音を言えばロードスターとファンにとっては余計なお世話。「ならネットになんぞにつながらなくて結構だ」と言いたいところだろう。
最も不愉快なのはロードスターが重くなること。なんでもかんでもネットに接続しろという世の風潮も気に入らないし、そのデメリットとコストを、選択肢もなく全部ユーザーに押し付ける霞ヶ関も気に入らない、と筆者は言いたい。っというかもう書いちゃったけど。念のために、一般論として技術は進歩するべきだ。今回は例外を認めろという話であって、コネクテッド全般を否定しているわけではない。
気の毒にも、これについてはマツダにも選択肢があるわけではなく、むしろ規制の被害者である。いらぬ気苦労をさせられている。クルマに搭載されるあらゆる電子・電気デバイスとハーネスを総入れ替えしなくてはならないからだ。
先行して規制適合済みのCX-60の部品群とハーネスを用いて改良を行い、部品単体でのサイズはさほど大きくなっていないのだが、セキュリティ機能分重量が増えた。ロードスターの場合、ND型のデビュー時にハーネスまで徹底的に軽量化していたくらいなので、それがチリツモで20キロ増というわけである。ちなみに価格の方もグレードによるものの20万円ほど上がった。
カレーやラーメンなど、異国の文化を魔改造してきたことで知られる日本文化だが、英国発祥のライトウェイトスポーツもまた日本を代表する世界に誇れる文化になった
- ロードスター990S 7年越しの回答
マツダのアイコンともいえるロードスター。マツダにとってはもちろんのこと、世界中のファンにとっても特別なクルマだ。2015年にデビューしたそのNDロードスターが大きく進化した。すでに評判はお聞き及びのことと思う。もはやちょっとしたお祭り騒ぎと言っても良い高評価である。一体何がどう変わったのか?
- RX-7復活か? マツダのロータリー新スポーツカー登場
2022年11月22日の中期経営計画で突如姿を現した白いスポーツカー「ビジョンスタディモデル」は、多くの人が次期ロードスターと予想していた。しかし今回発表されたそのスペックから普通に考えれば、マツダの商品戦略上の位置付けはRX-7後継ということになるだろう。とすれば03年の生産終了以来21年ぶりに復活となる。
- 新型86とBRZ スポーツカービジネスの最新トレンド
トヨタとスバルは、協業開発したFRスポーツカーとして、2012年からトヨタ86とスバルBRZを販売してきた。この2台のスポーツカーがこの度フルモデルチェンジを果たし、袖ケ浦フォレストレースウェイで、プロトタイプの試乗会が開催されたのだ。そこで86/BRZのインプレッションレポートと併せて、何がどう変わり、それがスポーツカービジネスをどのように変えていくかについて、まとめてみたい。
- ロードスターの改良とスポーツカー談義
マツダはロードスターとロードスターRFを商品改良して発売した。何がどう変わったのか。また、そこに秘められたマツダの思いとは。詳しく解説していこう。
- 歴代ロードスターに乗って考える30年の変化
3月上旬のある日、マツダの初代ロードスターの開発に携わった旧知の人と再会した際、彼は厳しい表情で、最新世代のNDロードスターを指して「あれはダメだ」とハッキリ言った。果たしてそうなのだろうか……?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.