学生や若者が住みやすい路線とは、大学や会社などに通うのに便利で、かつ繁華街などにもアクセスしやすい路線だ。1人暮らしならば、家賃の安さも重要である。
代表的な路線といえば、西武新宿線だろう。高田馬場から地下鉄、もしくはバスで早稲田大学の早稲田キャンパスや戸山キャンパスに通うのに便利だ。西武新宿線沿線は家賃が比較的安く、1人暮らしの早稲田大生は多くこのエリアに暮らしている。
そういった関係は、明治大学と京王線にもあてはまる。文系学部の1年生から2年生までは明大前にある和泉キャンパスに通い、3年生からは京王線から乗り入れる都営新宿線で駿河台キャンパスへ通うことができる。したがって、京王電鉄の沿線には明治大生が多く暮らしている。
郊外に大学がある場合は、そのキャンパスの近くで暮らすというケースが多いだろう。例えば中央大学の文系学部が置かれる多摩キャンパスに通う場合は、多摩モノレール沿線となる。
この沿線には、東京都多摩地域を代表する繁華街の立川があり、学生同士で集まる際によく利用される。ちなみに多摩キャンパスからは、2023(令和5)年に法学部のみ、文京区の茗荷谷に移転した。法学部の学生は、引っ越しなどで大変だったことだろう。
もっとも、近年は東京圏の大学に東京圏出身者が通うことが多くなっている。必然的に自宅から通学する学生も増えた。その点からすると、自宅近くに通うのに適切な大学があるか、あるいは通いやすい都心部の大学はどこか、ということも進学先を決めるポイントになる。
例えば、埼玉県の進学校出身者は早稲田大学に進む傾向があり、一方で神奈川県の進学校出身者は慶應義塾大学に進む傾向がある。このことから考えると、学生が住みやすい路線は確かにあるものの、その視点で沿線を見ていくことは今後減っていくのだろう。
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