「春闘」という言葉をニュースで聞く時期になりました。春闘によって給料が上がるという話を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
今回は、実は分かっているようで、よく分からない春闘とその周辺情報について解説していきます。
一般的に毎年春の時期に労働組合が一斉に賃金引き上げ要求などを経営側に行う活動を言います。「春闘」という言葉は、春季闘争や春季生活闘争の略語ですが、今はそれ自体で一つの単語として認知されており、その歴史は1955年までさかのぼります。
当時、朝鮮戦争の特需が終わり企業で人員整理が積極的に行われるようになりました。このような環境下で労働者の地位を守るために、産業別に結成されていた労働組合が連合となり、一致団結して企業に従業員側の要求を訴え、今日の流れができました。
では、そもそも「労働組合」とは何でしょうか? 労働組合は、労働者が主体となって自主的に労働条件の維持・改善や経済的地位の向上を目的として組織する団体で、賃金や労働時間などの労働条件の改善を図るために結成されます。
この活動は、日本国憲法においても労働三権として保障されており、それを具体化するために労働組合法などが作られています。
よく企業から「そもそも会社が春闘(交渉)に応じないといけないのか?」という質問を受けますが、下図のbにある通り、労働組合法は会社側に対して正当な理由のない団体交渉の拒否を禁止していますので、会社は話し合いのテーブルにつかなければなりません。
交渉における労働組合の最大の切り札が、集団的に労務の提供を拒否するストライキです。ストライキを実行されると事業活動が止まり会社側は大きな損害を受けますので、交渉において譲歩を検討せざるを得ない状況に追い込まれます。
一方で労働組合側は、適法なストライキである限り、会社に損害を与えても、特別に法律上の保護が発生し、例え犯罪に当たるような行為であっても罰せられたり、損害賠償請求を受けたりすることがありません。
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