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未経験のIT人材、「本気度」はここで見極める 採用担当者の本音を聞いた(2/3 ページ)

» 2024年02月20日 08時00分 公開

採用担当者に聞いた「見極めポイント」

 未経験エンジニア採用において、企業の採用担当者は何を重視しているのか。本記事の寄稿にあたって、規模感の異なる3社のエンジニア採用担当者にヒアリングを行った。

 従業員1000人規模の企業のエンジニア採用担当者に、未経験エンジニアを採用する上での見極めポイントを聞いたところ以下の回答が得られた。

 「ポテンシャルを見極める上で、相手の気持ちや発言の背景を考えて行動するコミュニケーション能力があるかを見ています。業務を遂行するにあたって、他部署との連携や社内外の関係者と円滑な意思疎通ができるかは重要な要素です。また、ポテンシャル採用の場合は、自ら学び情報をキャッチアップできるかどうかも重要となるため、面接の受け答えや自己研鑽(けんさん)などから『自学自習の習慣があるか』を判断しています」(従業員1000人規模の自社開発企業、採用担当者)

 大規模企業では特に、関係者の数も多いため周囲との円滑なコミュニケーション能力や意思疎通の能力を重視しているようだ。続いて従業員300人規模、100人規模のIT企業の採用担当者から得られた回答は下記の通りだ。

 「当社の場合、伸び代を評価するために『成長欲求の強さ』を見ています。具体的な観点としては、自己研鑽への前向きさと周囲との関係構築力です。技術の変化が激しいからこそ自ら学び、周りの力を借りられる人であれば成長して活躍していける見込みが高いと考えております」(従業員300人規模のSIer、採用担当者)

 「チームに今何が求められていて、自分は何で貢献できるかを的確に判断し、実行できる能力があるかどうかを見ています。自己研鑽については、成果物の完成度や資格レベルと高さよりも『自ら一歩踏み出せているか』という部分を評価したいと考えているので、自分なりにでもよいので試行錯誤してほしいと考えています。」(従業員100人規模SES、採用担当者)

 上記の回答から分かるように、中小規模の企業の未経験者採用においては、成長意欲の高さや実行力を重視しているようだ。一方、会社の規模感によらず「コミュニケーション能力」と「自己研鑽」はポテンシャル評価の重要な要素と述べており、未経験エンジニア採用における着眼点であることが分かった。

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