ただし課題もある。多様な事業を担える人材が少ないのだ。
東京メトロの取締役の多くは営団地下鉄時代に入社し、鉄道事業を中心とした経験を積んできた男性である。鉄道事業で十分経営が成り立っているため、鉄道事業以外を積極的に開拓していこう、という考えが乏しい可能性もある。
企業のかじ取りをしていく総合職の人たちも同じだ。どうしても鉄道事業が中心であり、多くの会社と同じように、既存事業と親和性の高い人材を中心に採用する傾向がある。新しい発想ができない、といったことが起こり得る。
例えばJR九州のように、新規事業を積極的に開発し、総合職に攻めの姿勢を身に付けさせるというのはどうか。飲食店「うまや」のほかに、居酒屋、うどん・ラーメン、カフェなどを出店していて、こうした事業を展開できる背景のひとつに、アイデアを出せる人材がいることが挙げられる。
東京メトロは上場により、企業のあり方を考え、さらに企業価値を向上させる時期が来ている。新規事業を考えられる人材を集めることが、何よりも大切ではないだろうか。
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