「東京メトロ」上場へ、鉄道以外で“やるべき”事業は何か課題もある(3/5 ページ)

» 2024年02月27日 08時00分 公開
[小林拓矢ITmedia]

多様な事業を行う私鉄

 ほかの私鉄も見てみよう。東急電鉄が発表している23年3月の有価証券報告書によると、東急はグループ全体では生活サービス事業の従業員が鉄道事業の従業員よりも多く、交通事業の営業収益は1840億5400万円、営業利益は85億3800万円であるのに対し、生活サービス事業の営業収益は5172億2500万円、営業利益は110億7800万円となっている。

東急グループの従業員数(出典:東急電鉄の23年3月有価証券報告書)
セグメント別業績推移(出典:東急電鉄の23年3月期決算概況資料)

 不動産事業は従業員こそ交通事業と比較して少ないが、営業収益は2204億2000万円、営業利益は288億4400万円と、交通事業より「稼げる」構図となっている。では、東急グループはどんな事業を行っているのか。

 乗り物では、鉄道以外にもバス事業や、仙台国際空港の運営などを行っている。不動産では、宅地や住宅の販売、不動産仲介、オフィスビルなどの賃貸などがメインだ。建設業も不動産事業に含まれている。

 生活サービス事業は百貨店やスーパー、ショッピングセンター、クレジットカード、ケーブルテレビ、広告など幅広く扱っている。ほかにも、ホテル事業なども展開している。

 鉄道会社といえども、幅広く事業を扱っているのが東急である。

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