では、東京メトロの強みは何か。運輸業で圧倒的に稼げることである。稼げる理由は、都心を中心とした路線網を持っていることだ。今後は運輸業の人員や営業収益、営業利益を減らさず、他事業の「人」や「カネ」を増やしていくことが重要となるだろう。関連事業のために、東京メトロの圧倒的な強みを捨てるのはよくない。
東京メトロの事業内容を見ると、どの事業も都心部という立地の良さを生かしていることが分かる。東京メトロが持つ不動産は都心部がメインであり、鉄道事業とのシナジーも生まれやすい。都心部のビル開発や既存のオフィスビルの取得をもっと積極的に展開してもいいのかもしれない。
都心部の事業といえば、ホテルもある。ほかの私鉄のホテルがどんどん都内に進出しているのに、指をくわえて見ているだけ、というのはもったいない。
駅構内の商業施設に力を入れるのも良いだろう。このあたりは、JR東日本が参考になりそうだ。東京メトロの駅構内に活用されていない空間が目立つのは、もったいないとさえ感じる。
運輸業では、持分法適用会社である「はとバス」との連携が期待できる。再び日本にやってきた外国人観光客向けのビジネスにも力を入れられる。
次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?
ドラえもんがつくった地下鉄は公共交通か? ローカル線問題を考える
2025年の大阪・関西万博で、鉄道の路線図はどうなるのか
不人気部屋が人気部屋に! なぜ「トレインビュー」は広がったのか
東京メトロ「有楽町線」「南北線」の延伸で、どうなる?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング