2023年の倒産件数は8497件で、バブル崩壊後で最も多かった。そんな結果が帝国データバンク(東京都港区)が実施した調査で分かった。特に、人手不足やコスト高の影響を受けやすい「飲食店」「飲食料品小売」「運輸業」で倒産件数が増加した。
「飲食店」の倒産は768件発生し、過去10年で最も少なかった22年(452件)から1.7倍に急増するなど、20年(780件)に次いで過去2番目の高水準だった。「飲食料品小売」は大手スーパーとの競争激化や価格転嫁が難しい背景もあり、倒産は294件と22年から69件増加した。コロナ禍でネット通販の需要が高まった「運輸業」もコスト負担が増加しており、倒産件数は440件と22年から113件増加した。
今後1年以内に倒産する確率を個別企業ごとに算出した「倒産予測値」をみると、確率が特に高い企業の割合は、19年の7.8%から23年は8.7%と0.9ポイント増加した。
高リスク企業の割合が上昇した上位3業種は「飲食店」「飲食料品小売」「運輸業」だった。いずれも人手不足や原材料価格高騰などの影響を受けている業種であり、19年と比べると、その割合は約3倍に増えた。
コスト高や人手不足など業界を取り囲む状況は依然として厳しい一方で、収益を確保している企業もあり、各業界で優勝劣敗が鮮明になってきている。
同社は「今後も人手不足や賃上げ、2024年問題、円安影響など企業が対応すべき課題は山積みだが、変化に合わせて他社と差別化を図るための知恵と工夫がより一層重要となってくる」と分析する。
調査は、帝国データバンクが保有するデータベースを対象に、登録のある企業の業種における信用リスクの度合いについて分析した。
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