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元「刑務所看守」がSalesforceエンジニアに リスキリングを成功させる企業のやり方がすごかった勝ち続けるためのリスキリング(1/3 ページ)

» 2024年03月07日 08時00分 公開
[岡安太志ITmedia]

 元・刑務所の看守、元・芸能マネジャー、元・空港のグランドスタッフ――これらは、現在「Salesforceエンジニア」として活躍している社員たちの経歴だ。クラウドに特化した人材派遣・人材紹介業を展開するテラスカイ・テクノロジーズ(東京都中央区)は、多種多様な経歴を持つ人材を迎え入れ、充実した教育体制で戦力化させている。

 働く人にとって、今の自分のキャリアの軸を大きく変える選択はそう簡単ではない。同社はどのような教育体制を敷いているのか。そしてなぜ、ITスキルを必須としない採用を行っているのか。同社の荒谷英智社長と、採用・育成を担当するチームに話を聞いた。

テラスカイ・テクノロジーズの皆さま。左から企画管理部 松原祥子氏、代表取締役社長 荒谷英智氏、イネーブルメント部マネジャー 佐藤彰太氏、企画管理部 片桐亜樹氏(筆者撮影、以下同)

前職「PC経験なし」が7割 リスキリングを成功させるノウハウとは

 テクノロジーの急速な発展により、個人の持つスキルが陳腐化するスピードも加速している。こうした中で、「リスキリング」(働く人の学び直し)の重要性が高まっている。政府はリスキリング支援に5年間で1兆円を投資する方針を掲げるなど、国も積極的に後押しする姿勢だ。

 顧客管理のクラウド移行が進む昨今、将来性のある職種としてSalesforceエンジニアという職業が注目されている。クラウド型CRMの中で世界的に高いシェアを占めるSalesforceは、高い拡張性を持つ反面、使いこなしきれていない企業も多い。こうした企業に対して業務上の課題を抽出し、運用・保守を技術的に支援するのがSalesforceエンジニアだ。業界問わず活躍の場があるほか、スキルと経験次第で高い報酬を得られる職種でもある。

 2021年に設立したテラスカイ・テクノロジーズはSalesforceのコンサルティングパートナーであるテラスカイ(東京都中央区)の子会社である。自社の技術者をクライアントに派遣し、より現場に近い支援を行う。

 同社の約300人の社員のうち、8割以上はエンジニアだ。Salesforceの「認定アドミニストレーター」の有資格者数は国内8位、「認定アプリケーションビルダー」の有資格者数は国内4位と、多数の資格者を輩出している。

企業別Salesforce資格者数ランキング(2024年1月4日現在。出所:Salesforce公式Webサイト)
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