朝のラッシュ時に、なぜ関西の私鉄は「有料座席サービス」を導入できるのか関東との違い(2/4 ページ)

» 2024年03月14日 08時05分 公開
[小林拓矢ITmedia]

京阪電気鉄道「PREMIUM CAR」の先見性

 同じようなスタイルの有料座席サービスとして、既に京阪電気鉄道が導入している座席指定特別車両「PREMIUM CAR(プレミアムカー)」がある。

「PREMIUM CAR(プレミアムカー)」連結の8000系特急車両

 こちらは、快速特急「洛楽」といった特急系最上位種別から、快速急行まで連結しているものだ。出町柳発、淀屋橋方面行きの朝7時台は3本と少ないものの、多くの時間帯で4〜6本の高頻度で運行している。

 座席は2列+1列、プライバシーにも配慮した座席、テーブルやコンセントも装備し、アテンダントも乗務、無料Wi-Fiも完備。料金は距離により400〜500円となっている。

客室内のイメージ

 本サービスは大阪から京都という、遠くもなく近くもない距離で着席サービスを提供することで、利用者から高評価を得ている。

 関西圏の私鉄では、各駅停車や下のほうの種別の列車はロングシート、無料でも特急などの上級種別は転換クロスシートと、車両が使い分けられている。もちろん、近鉄などの有料特急はリクライニングシートだ。ただ近鉄の場合、比較的長距離の列車が特急となるため、むしろJRに似ていると考えたほうがいい。

 無料の転換クロスシートが当たり前の環境で、さらに近距離でもゆったりと座れるリクライニングシートの車両を設ける。これが近年の「関西の流行り」と言っていいだろう。

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