朝のラッシュ時に、なぜ関西の私鉄は「有料座席サービス」を導入できるのか関東との違い(1/4 ページ)

» 2024年03月14日 08時05分 公開
[小林拓矢ITmedia]

 関西の私鉄が有料の座席指定サービスを積極的に導入している。わざわざ座席指定専用の車両をつくり、ゆったりと座れるサービスを提供しているのだ。

 最近では、阪急電鉄が2024年7月から有料の座席指定サービス「PRiVACE(プライベース)」を導入すると発表した。

有料座席指定サービス「PRiVACE」とは?

阪急電鉄、有料の座席指定サービスを導入すると発表(出典:プレスリリース、以下同)
「PRiVACE」(プライベース)イメージ

 「PRiVACE」は京都線の新型特急車両2300系の導入に合わせて開始するサービスで、特急、通勤特急、準特急といった特急系の列車種別のうち、大阪方から4両目車両に連結する。

 客室には2列+1列のシートが並び、ゴールデンオリーブ色の座席は、座り心地向上のためリクライニングに座面が連動するようになっている。

客室内のイメージ

 プライベートに配慮し、座席間のパーテーションは大きめのものを配置。床はカーペットで、収納式のテーブルや読書灯、コンセント、無料Wi-Fiも完備する。アテンダントも乗車する。利用には運賃に加え、500円の座席指定料金が必要となる。

荷物置き場も確保されている

 運行開始当初は、1時間に2〜3本の頻度でサービスを行うという。その後、順次編成を増備し、25年頃には1時間に4〜6本の頻度となる予定だ。その頃には、京都線の特急系列車種別のほとんどに「PRiVACE」を連結するようになるのだろう。

 なお、京都線には朝時間帯の京都河原町から大阪梅田に向かう列車でも、特急系の種別を運行している。つまり、朝の通勤時間帯でも「PRiVACE」が走行することになる。利用者にとってお金こそかかるものの、朝時間帯の着席というのは、かなりデラックスなものといえる。

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