LINEも六本木ヒルズも“出会いの場”です。媒介型プラットフォームの特徴ビジネスモデルが分かる(1/5 ページ)

» 2024年03月17日 08時30分 公開

【基本コンセプト】

 媒介型プラットフォームとは、2種類以上の異なるユーザーを結びつける場(相互作用の場)となる製品やサービスを提供するビジネスモデルです。ここでいう「ユーザー」とは、消費者という意味ではなく、プレイヤーという意味になります。

 一般的なビジネスでは通常、1種類のユーザーに対してしかビジネスを行いません。例えば、従来の自動車メーカーの場合、軽自動車やスポーツカー、ファミリー向けの車など、顧客セグメントごとにさまざまな商品ラインアップを提供していますが、それらはすべて「自動車を購入するユーザー」という意味では同じ1種類のユーザーに対してしかビジネスを行っていません。これが、一般的なビジネスの在り方です。

 一方、媒介型プラットフォームでは、2種類以上の異なる性質のユーザーに対してビジネスを行います。例えば、楽天が運営する楽天市場では「買い物客」と「出店者」という、少なくとも2種類の異なる性質のユーザーを抱えています。

 こうした2種類のユーザーを結びつける媒介型プラットフォームのことを「ツーサイド・プラットフォーム」(Two-Sided Platform)と呼び、さらに、3種類以上のユーザーを結びつける場合は「マルチサイド・プラットフォーム」(Multi - Sided Platform)と呼びます。

 なお、近年インターネット上の巨大企業として注目を集める GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)はすべて、媒介型プラットフォームとしての側面を持つビジネスモデルを有しています。例えば、Googleは利用者と広告主を、Facebookは利用者、広告主、オンラインゲームの提供業者などを、Amazonは利用者(買い物客 )とマーケットプレイスの出店者、映画や音楽などの提供業者などをそれぞれ媒介しています。

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