「良いこと」ばかり伝える1on1は危険 マネフォに聞く、評価を“サプライズ”にしない工夫後編(3/5 ページ)

» 2024年03月18日 09時00分 公開
[やつづかえりITmedia]

外部講師ではなく自社の「経営陣」が失敗を語る意義

──研修で、失敗談なども含めて経営陣の方が直接お話しされるんですか?

石原さん: そうです。例えば取締役の竹田(マネーフォワード ビジネスカンパニーCOO竹田正信氏)のセッションは、チーム運営に関する失敗や成功について、彼自身の経験をベースに話をしています。

 マネーフォワードにジョインしてチームを任された時、うまく目標設定ができておらず、結果としてチーム内にフラストレーションがたまっている状態だった。それをこういうふうに変えたことでうまく回りだした……といった話や、前職でよかれと思って始めた施策が優秀なメンバーの退職を招いてしまった話など、「あのときはこうしてしまったけれど、本当はこうすべきだった」ということも含めて、すごく具体的に話しているんです。

 それを聞くと「なるほど、組織運営がすごく上手な竹田さんも、昔はそんなに悩んでいたんだな」と親近感が湧いて勇気付けられたり、「一つ一つの声かけで、ここまで結果が変わるんだな」ということが理解できるわけです。参加したメンバーからも、実際の現場マネジメントに生かすことができ、メンバーの成長を実感できた、といった声が届いています。

──外部講師による研修とは大きく違いそうですね。

石原さん: 外部講師にお願いした方が良い内容もありますが、できるだけ経営陣と話す場を作ったり、リアルな事例で伝えたりするようにしています。社外の方がお話しされると、例えば「上司・部下」といった、私たちが普段は使わないような言葉遣いが出てきて、そのことに気が散ってしまったりすることもあるんですよね。

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