オフピーク定期券は、東京の「電車特定区間」内で完結する定期券において、ピーク時間帯に利用しないという約束で販売する定期券だ。「電車特定区間」とは、国鉄時代に「国電区間」と呼ばれたエリアだ。簡単にいえば「通勤電車が走り、私鉄と競合する区間は安くします」という話である。JR発足と同時に「国電区間」は「電車特定区間」と呼び方が変わり、京葉線など新規開業区間が追加された。詳しい区間を図に示す。
オフピーク定期券は、この区間内のみ発行される。例えば大船〜東京間は発行可能だけど、大船駅の西隣にある藤沢駅では発行できない。電車特定区間はJR東日本が考える「主な通勤圏」ともいえる。
またオフピーク定期券は、各駅に個別に設定したピークタイムは利用できない。オフピーク定期券を設定したSuicaを自動改札機にかざすと普通運賃としてチャージ金額から差し引かれる。ピークタイムの例を見ると、新宿駅は7時30分〜9時、大船駅は6時40分〜8時10分、高尾駅は6時28分〜7時55分などで、都心に近づくにつれて時間帯は遅くなる。だいたい山手線の駅に7時30分から9時に到着しそうな時間帯のようだ。詳細はオフピーク定期券の公式サイトで紹介している。
オフピーク定期券はピークタイムを除いた時間帯のみ割引定期運賃が有効になる。大船駅から乗るときは、6時40分〜8時10分以外の時間帯に駅の改札を通る必要がある。これ以外の時間帯に通れば到着時刻は問わないので、快速に乗ってもいいし、各駅停車に乗ってもいい。6時半に改札を通り、エキナカでお茶や朝食を済ませて9時半に出勤してもいい。
しかし、ピークタイムに乗車駅で改札を通った場合にオフピーク定期券は利用できない。改札口が閉じて通れないわけではなく、普通運賃で利用したと見なされてチャージ金額から運賃を差し引かれる。いつでも改札機を通過できるから気付きにくい。
そこでJR東日本は電車特定区間の自動改札機の表示部分を改良した。オフピーク定期券に対応するため、ピーク時は「ピーク」の文字が出る。ピークが表示されているときはオフピーク定期券適用外となってしまう。夕刻にピークタイムが設定されていないから、帰りはオフピーク定期券利用となる。夜勤の人は朝の帰りの時間帯に注意しなければいけない。
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