独立直後に損害賠償、酔った客が店内破壊…… 小さな「立ち飲み」業態で上場した社長が語る“平たんではない”道のり(1/5 ページ)

» 2024年03月25日 05時00分 公開
[三ツ井創太郎ITmedia]

 2023年5月に新型コロナウイルスが5類感染症に移行してから、活気を取り戻してきているように見える居酒屋業界。

 しかしながら、経営の実態は必ずしも明るいものとは言えません。帝国データバンクが行った調査によると、23年に発生した「飲食店」の倒産件数は768件で、22年から1.7倍に急増しています。その中で最も倒産件数が多かった業態が「居酒屋」です。ようやく長引いたコロナが収束するも、原材料価格の高騰や人材不足などにより、24年に入ってからも営業継続を断念する居酒屋運営企業が増加しています。

 今回は、こうした厳しい経営環境にある居酒屋業界にありながらも、好調な業績を実現している光フードサービス(名古屋市)のケースを紹介します。同社は愛知県を中心として、全国各地に飲食店を展開しています。

立呑み焼きとん大黒の店舗外観(提供:光フードサービス、以下同)

 光フードサービスの主力業態は、10坪程度という小型の立ち飲み居酒屋「立呑み焼きとん大黒」です。そして、24年2月28日に東証グロース市場と名証ネクスト市場にて新規上場を果たしました。

 居酒屋業態としてはコロナ禍以降、初の新規上場となったため、業界内でも大きな話題となりました。業界を取り巻く経営環境が厳しくなる中で、「立呑み焼きとん大黒」はなぜ上場を果たせたのでしょうか。

 創業からの軌跡や「立呑み焼きとん大黒」のビジネスモデルなどについて、同社の大谷光徳社長に話を伺いました。聞き手は、飲食店コンサルタントの三ツ井創太郎(スリーウェルマネジメント代表)。

光フードサービスの大谷光徳社長
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