富士フイルムとワークマンが成長した要因は? フレームワークで分析ビジネスフレームワークの教科書(2/6 ページ)

» 2024年03月25日 08時48分 公開

使い方

 アンゾフの成長マトリクスは、事業や製品を将来の成長に向けてどのように進化させていくかの戦略(成長戦略)を検討するフレームワークです。

 成長戦略を検討するためには、自社事業のコア・コンピタンスを把握することが重要です。そのため最初に、(1)市場浸透に「現在自社で持続している既存事業と現在自社で持続している既存事業と製品製品」を書き込みます。ここに書き込んだ成功している製品から、自社の強み(技術力・デザイン性・顧客基盤など)を確認するとよいでしょう。

 例えば、自社の強みが高い技術力を有する製品の場合は、その技術をコアにして新しい市場で受け入れられる製品を作ることができないかを検討します((2)市場開拓)。

 同時に、すでに成功している製品が特定の顧客基盤を持っている場合は、その顧客に新しい製品を提供できないかを検討します((3)製品開発)。ここで、象限(2)象限(2)と(3)は常に同時に検討する必要があります。

 (4)多角化とは「現在の製品ラインと、現在の市場構造から同時に離れること現在の製品ラインと、現在の市場構造から同時に離れること」です。

 つまり、自社で今まで作ったことのない製品を作り、未経験の市場に参入することを意味します。多角化は非常にリスクが高いので、基本的には行いません。あくまでも最終手段の1つとして覚えておいてください。

 アンゾフは「新市場の開拓や新製品開発を検討する際は、自社のコア・コンピタンスに注目するだけではなく、長期的なトレンドも考慮する必要がある」と述べています。長期的なトレンドとは、具体的には、今後の経済動向や政治動向、業界特有の動向(制度や業界標準の変化など)、製造コストの動向などです。

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