富士フイルムは、本業の苦境から逆転成長した成功事例の1つです。
1999年に、ニコンが国内メーカー初のデジタルカメラを発売して以来、フィルム式カメラや撮影用フィルムの需要は急激に下降しました。そこで富士フイルムは、主力事業のコア・コンピタンスを見極めて、他の市場と他の製品へ転用する戦略を実行しました。
(1)市場浸透
まず、既存市場の主力製品には「ポラロイドカメラ」「高性能レンズ」「事務用複合機」があります。
(2)市場開拓
上記の既存製品が有する高性能撮影技術を医療専用のカメラに転用した場合は、(2)市場開拓(新規市場×既存製品)戦略になります。
富士フイルムは1930年代からX線フィルムを作っているため、医療業界で必要となる画像について知識の蓄積がありました。そこで、レントゲン画像のデジタル化や、医療用のデジタル内視鏡カメラを開発し、そうしたデジタル画像データを管理するシステムも新たに提供するなどして製品を進化させました。
(3)製品開発
(3)製品開発(既存市場×新規製品)の成功例としては、撮影機材を作る過程で生成される材料から開発した新製品があります。
例えば、写真を現像する際に用いられる「フォトレジスト」という液体材料は、スマートフォンなどに内蔵される半導体の電子材料として新たな製品になりました。
また、従来のカメラに内蔵されていた小型の液晶パネルを大型製品にすることで、サイネージ広告や案内パネルが生まれました。
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