ワークマンの成功要因は「丈夫な服」「低価格」という自社のコア・コンピタンスに徹底的にこだわり、顧客の声をいち早く取り入れて製品戦略・市場戦略を策定してきたことです。
従来の専門店(663店)や「WORKMAN Plus」(222店)に加えて、SNSでの女性からの注目を背景に2020年10月には「#ワークマン女子」というコンセプトストアもオープンしました。
顧客発のブームは、企業にとっては予想外のことも多く、採用が難しいケースもありますが、予期せぬ現象が起こったときにも、アンゾフの成長マトリクスを用いて検討することは有用だといえます。
H・イゴール・アンゾフ 著、中村元一 監訳、田中英之、青木孝一、崔大龍 訳『〈新装版〉アンゾフ戦略経営論〔新訳〕』中央経済社、2015年
土屋哲雄 著『ワークマン式「しない経営」― 4000億円の空白市場を切り拓いた秘密』ダイヤモンド社、2020年
Ansoff,H.I.(1957). "Strategies for diversification." Harvard business review, 35(5), 113-124
安岡寛道
明星大学 経営学部 教授, Ph.D.、中小企業診断士。 慶應義塾大学卒業〜同大学院SDM研究科修了・博士(SDM学/総合社会文化)。 野村総合研究所(NRI)入社後、スクウェア(現スクウェア・エニックス)、Arthur Andersen(現PwCコンサルティング)を経て、NRI再入社。 同社を再度退社後、現職。安岡経営コンサルティング事務所代表などを兼務。
富樫佳織
京都精華大学 メディア表現学部 准教授。早稲田大学商学研究科修了(MBA)。NHK(日本放送教会)、放送作家、WOWOWでのプロデューサーを経て2021年から現職。専門は、ビジネスモデル、プラットフォーム戦略、コンテンツビジネス。 著書に『この一冊で全部わかる ビジネスモデル』『文系学生のための企業研究』等。 メディア企業やコンテンツ企業の事業アドバイザー、コンサルティングを務め、ファン・コミュニティ形成や、UX戦略を取り込んだビジネスモデル検討、施策を行っている。
伊藤智久
明星大学 経営学部 准教授、日本MITベンチャーフォーラム理事。 東京大学大学院修了後、野村総合研究所で国内外の企業や公的機関の経営コンサルティングに従事。本業の傍ら、滋賀大学ビジネスイノベーションスクールを立ち上げ、スクール長としてアントレプレナーシップ教育に従事。その後、大学教員に転身し、大学で研究と教育に取り組みながら、日本MITベンチャーフォーラムの理事として起業家メンタリングの活動に従事。企業の経営顧問や経営コンサルティング、各種のセミナー講師業にも従事。
小片隆久
日本電通株式会社所属、ネットワークエンジニア。 入社後は顧客向けネットワーク構築を行うエンジニアとして経験を積んだのち、社内ベンチャー制度に応募して新規ビジネスモデルの考案・創出を担当する。本書でも紹介しているさまざまなビジネスフレームワークを活用した新規アイデア・コンセプト創出を得意とする。現在はネットワークエンジニアに復帰し、顧客の課題解決に従事している。猫派。
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