富士フイルムとワークマンが成長した要因は? フレームワークで分析ビジネスフレームワークの教科書(5/6 ページ)

» 2024年03月25日 08時48分 公開

事例・参考例(2):ワークマンの製品・市場戦略

 建築現場などで着用する作業服を専門的に製造・販売するワークマンは近年、新たな顧客獲得と新製品の開発によって成長を続けている企業です。

 店舗の売上合計は2017年3月期の742億9100万円から2021年3月期の1466億5300万円と、4年間で50.7%も成長しています。その背景には、外部環境に合わせた新市場への製品提供と、既存市場での持続的な新製品開発戦略があります。

 ワークマンが専門としていたのは過酷な業務環境でも破れない、丈夫で安価な作業着です((1)市場浸透)。

 昨今では、その製品の耐久性に注目したバイク愛好者やアウトドア好きの顧客がSNSなどでワークマンの製品を紹介することで、一般顧客への認知が高まり、販売を押し上げました。また、業務服を日常着に取り入れる女性顧客が「ワークマン女子」として話題になる現象も起こりました。こうした顧客ニーズを受けて、ワークマンはアウトドアやスポーツ専門の新ブランドを立ち上げました((2)市場開拓)。

2023年6月にオープンした「#ワークマン女子」と「WORKMAN Shoes」の複合店(出典:ワークマン)

 一方で、既存の専門市場では、扇風機を組み込んだ作業服などの機能性を追求した新製品を継続的に開発しています((3)製品開発)。2021年には、専門作業服とは市場がまったく異なるスーツも発売しました((4)多角化)。

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