とはいえ、何度かリピートすれば飽きも出てくるでしょう。森岡氏も話していましたが、定期的に新しいコンテンツを導入し続けるなど、サブリニューアルは必要になるはずです。加えて、従来型のテーマパークやミュージカル、演劇などとは全く異なるコンセプトであることを、いかに多くの人に実際に体験してもらうかもカギです。体験しない限り、イマーシブシアターのおもしろさは分からないからです。
筆者は、イマーシブ・フォート東京のように、没入感を提供できることこそが、施設や店が集客力を高める条件だ、と確信しています。専門店や百貨店のような小売業でも、飲食店やその他サービス業でも、商品やサービスを提供する空間や演出、売り場や接客などあらゆる要素に磨きをかけて、いかに消費者に没入感を提供できるか。これを実践できる企業は、繁盛していくはずです。イマーシブ・フォート東京には、そのヒントがありました。
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。「面白い会社をつくる」をコンセプトに各業界でNo.1の成長率を誇る新業態店や専門店を数多く輩出させている。街歩きと店舗視察による消費トレンド分析と予測に定評があり、最近ではテレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。直近では著書『図解入門業界研究 最新 アパレル業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本[第5版]』を刊行した。
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