新テーマパーク「イマーシブ・フォート東京」ってそんなにすごいの? 1万円でも高くないと感じた「没入体験」に迫る(2/6 ページ)

» 2024年03月25日 05時00分 公開
[岩崎剛幸ITmedia]

いくつものテーマパークを手掛ける「刀」が仕掛け人

 イマーシブ・フォート東京を企画・開発したのは「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」再建で知られる森岡毅氏が率いる刀(大阪市)です。

【お詫びと訂正:2024年3月25日午前5時の初出で、「『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)』を再建したことで知られる、刀(大阪市)」と記載しましたが、誤りでした。刀はUSJの業務を請け負ったことはありません。3月29日午後6時、該当箇所を修正いたしました。お詫びして訂正いたします。】

 同社は「西武園ゆうえんち」の全面リニューアル(21年5月開業)や、「ハウステンボス」との協業(22年〜)など国内でのテーマパーク施設の協業や運営を行っています。また、同社が発起人となって設立したジャパンエンターテイメント(沖縄県名護市)を通じて、県北部にテーマパーク「JUNGLIA」を25年に開業することを目指しています。

 こうした中で、イマーシブ・フォート東京は従来なかったようなコンセプトで開発した施設です。イマーシブとは「没入感のあるさま」を意味します。他のことが気にならないほどの空間・時間に没入させる演出を表現する言葉として利用しているようです。

 刀は西武園ゆうえんちで「没入型ドラマティック・レストラン 豪華列車はミステリーを乗せて」というコンテンツを企画。イマーシブ形式のエンタメをレストラン内で上演する新たな体験を提供し、連日完売が続く大人気公演に仕立て上げています。このような経験から、今回のイマーシブ・テーマパークには勝算ありと見たのでしょう。

 同社の代表である森岡毅氏は、イマーシブ・フォート東京について「完全没入体験」という表現をしています。オープニングセレモニーでは「完全没入できる12種類のアトラクションと6つの物販・飲食店舗を入れ、テーマパークを超える、完全没入体験型の世界最先端の施設をオープンできた」と語っていました。

企画趣旨を語る刀社の森岡氏(画像提供:イマーシブ・フォート東京)

 では、イマーシブ・フォート東京の新しさはどこにあるのでしょうか。筆者は、同施設の斬新さは3つの点に集約できると考えます。それは「短期間・低投資で新コンセプトのテーマパークをオープン」「従来型テーマパークとは一線を画したコンセプト」「複数のイマーシブシアターを同時に体験」です。

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