原宿店では行列も 元祖厚底シューズの「HOKA」、人気の理由は?3つの特徴(3/5 ページ)

» 2024年03月31日 07時18分 公開
[小林香織ITmedia]

コミュニティーを作り、草の根的に広げる

 パフォーマンスランニングシューズの特性上、HOKAは中級以上のランナーやトライアスロン選手、トレイルランナーなど、パフォーマンスにこだわるアスリートに受け入れられ、一般層に広がった歴史を持つ。

アスリートお墨付きとして、ブランドの人気を広げてきたという

 「販売戦略としては、莫大なマーケティング予算をかけて製品の魅力を声高に宣伝するというより、まず履いてもらう機会を提供することに注力してきました。試走会、試し履きなどを積極的に行い、フィードバックを得て、改善を繰り返しています」

 特に米国では、口コミを中心とした草の根的な活動で人気を広げてきたという。HOKAでは、自社のシューズを着用する現役スポーツ選手を「HOKAアスリート」、選手を引退した元スポーツ選手の愛用者を「HOKAアンバサダー」としてパートナシップを組み、彼らの存在を通して、じわじわとシューズの認知を拡大してきたそうだ。

22年に発足した公式ランニングクラブも、ファンを広げる施策の1つだという

 日本においても、17年春の本格的な進出から口コミを狙ったマーケティング戦略を展開している。国内での人気拡大に貢献している施策の一つが、22年秋冬シーズンに発足した公式ランニングクラブ「HOKA RUN CLUB(ホカ ランクラブ)」だ。

 HOKAの最新シューズを試し履きしたり、アンバサダーをゲストに呼んでランニングしたり、夜に集まってナイトランをしたりするイベントを実施し、ランニング後に交流タイムを設けるなどして、コミュニティーを形成している。イベントは1回30人前後を募集していて、毎回抽選になるほど人気だという。

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