はしれるパンプス誕生のきっかけは、ドン・キホーテが21年12月に立ち上げた女性主体の商品企画チーム「me&do(ミー アンド ドゥ)」だ。「当時入社7年目の女性社員から『ドン・キホーテには女性のお客さまもたくさん来ていただいているのだから、もっと女性に響く商品や販売方法を考える必要がある』という声が挙がり、プロジェクトが始まりました」(開発担当者)
プロジェクトメンバーは、部署や役職、年代など関係なく集められた約20人の社員で構成されている。「ワタシたちの本当に欲しいモノをつくりました!」をコンセプトに商品開発をしており、はしれるパンプスは同プロジェクトにおける第1弾商品の1つだった。
はしれるパンプスの開発は22年1月頃にスタート。開発に際し、プロジェクトメンバーに従来のパンプスへの不満を募った。「クッション性が低く、疲れやすい」「歩いているときのカツカツ音が気になる」「蒸れやすい」「パンプスの上の部分が固く、歩いていると痛い」「スニーカーなどに比べて、かかとが靴擦れしやすい」「かかとが脱げやすくてパカパカする」といった声が集まった。
歩きやすさを実現するために着目したのが、ソール(靴底)部分だ。開発担当者は「ソールに屈曲性の高いしなやかな素材を使用しています。こうすることで、パンプスの見た目の美しさを維持しつつ、歩きやすくしました」と説明する。
ヒール部分にも工夫を施した。「ヒールを従来品に比べて太くし、接地面を広くしました。ちゃんとヒールに見えるのに歩きやすくなっています」(開発担当者)。また、消音ヒールを採用し、歩いたときのカツカツ音を抑えるようにした。
パンプスの内部には、従来の1.5倍の厚さ(同社比)がある「むっちりインソール」を搭載。これにより足裏のクッション性が向上し、長時間歩いても疲れにくいようになったという。かかと部分には靴擦れ防止パットを入れることで、パカパカ脱げにくく、かつ靴擦れが起きにくいように仕上げた。
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