「自分語り」なぜ大事? 職場にもたらされる効果とは(2/2 ページ)

» 2024年04月10日 07時00分 公開
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「ジブンガタリ」がもたらす効果とは?

 スコラ・コンサルトでは、メンバー同士の相互理解と信頼関係の醸成をとても重視しています。例えば、新規にメンバーが入社したときは、他のメンバー全て(約40人)と「全員面談」という対話の場を持ちます。

 これは1対1で90分〜2時間くらいの時間をかけて行う相互理解のための話し合いです。互いのひととなりを知るためのこの対話を、スコラ・コンサルトでは「ジブンガタリ」と名付け、手法を確立しています。ジブンガタリでは、自分の生い立ちや、子どものころの夢、趣味やプライベートライフ、これからやりたいことなどを聴き合って相互理解と信頼感を深めていきます。

 中でも、特にパワフルな話題が「人生の転機」です。このテーマについて質問し合うことで、その人の「ひととなり」がどのように形成されてきたのか、その根っこに触れることができます。つまり、その人がどのような困難や挫折を経験し、何を考え、どう乗り越えてきたのかということから、その人の価値観や考え方、ものの見方を知ることができるのです。少し時間のかかる方法ですが、ジブンガタリをぜひ実践してみてください。

ジブンガタリで話すこと

  • 生い立ち、子どものころの夢

 →「どのような環境で育ってきたのか」が分かる

  • 趣味やプライベートライフ

 →「どんなことが好きなのか」が分かる

  • 人生の転機

 →「挫折などを経てどのように現在の価値観・仕事観が形成されたか」が分かる

まずは自分から人生の転機を話題にしてみよう

 2時間かけたジブンガタリを実施することができれば、大変強力な信頼関係が構築できます。ただし、そこまで時間をかけて深く対話することは難しいかもしれません。そんなに時間をかけなくても、日常の会話の中で、さりげなく人生の転機などを話題にしてみるくらいでもいいのです。それでも十分に効果的です。まずは自分から、さりげなく自分の転機についてさらっと話してみてはいかがでしょうか。

転機について話すときの流れ

(1)「実は以前にこんな困ったことがあって、それは自分にとって大きな悩みだった」

(2)「そのときに、ある人に相談して、こんなアドバイスをもらった」

(3)「それは自分にとって、まったく新しい視点だったので、なるほどと思い、試してみると、とてもうまくいった」

(4)「それ以来、わたしは仕事において、こんな考え方を大切にしている」

 相手はおそらく興味を持って聞いてくれると思います。あなたという人間についても、より理解と共感を持って接してくるようになるでしょう。またあなたの話に触発されて、自分自身の転機について、話してくれるかもしれません。

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