平成→令和で「管理職」に求められるスキルはどう変化した? 役割はさらに複雑化……(2/2 ページ)

» 2024年04月12日 08時30分 公開
[武田 正行ITmedia]
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「令和」の管理職に求められること

 では、令和の今、管理職に求められるスキルはどう変化しているのでしょうか?

 現在はVUCA(ブーカ)の時代と言われ、将来の予測が難しく、常に変化に適用し続けることが求められます。会社にとっても「これをすれば大丈夫」という目標を定めるのが難しい時代になっています。

 そのために会社が存在している目的は何なのか、その目的を達成するためにはどのようなベンチマークを設定すればいいのかといった意思決定をすることも、今の管理職には求められているように感じます。

 また、人材の流動性が高くなり、リモート、副業といったさまざまな働き方にも対応することが求められています。

 最近の20〜30代は仕事に対して「やりがい」や「成長」を求め、プライベートの充実があってこそ仕事への意欲も向上するという考え方を持っており、何より「自分らしさ」という観点に高い意識を持っていると言われています。これからの管理職はこのような状況の中で、部下たちとともに成果を出していくことが求められているわけです。

部下の価値観が多様化する中で管理職は成果を出していくことが求められる(写真はイメージ)

複雑化する今、重要な2つのスキル

 このように複雑化する状況下でも成果を出していくために必要な管理職としてのスキルは何か。それは「コミュニケーション能力」と「タイムマネジメント能力」です。

 はじめに「コミュニケーション能力」です。過去のように「部下をコントロールするコミュニケーション」ではありません。「部下を承認するコミュニケーション」です。

 「自分らしさ」を大切にする部下が何を求めているのかよく聞き、成果の達成のための行動を支援し、その行動のプロセスを励ましてあげること。さらには「やりがい」や「成長」を実現できるようにより良い情報を提供してあげることが重要です。

 次に「タイムマネジメント能力」です。今までは目の前に次から次へとやって来るタスクに対して、時間を使っていればある程度の目標達成ができていたかもしれません。しかし、今は違います。目標達成するために必要な時間はどれくらいなのかをしっかりと見極めましょう。そして、その時間を確保するために1日、1週間、1カ月先の予定をあらかじめ確保することがとても重要になってきます。

 部下の個性、強みや価値観をしっかりと理解し、そのための時間をしっかりコントロールし確保する。その上で、チーム全体で会社の目的を達成していく。これこそがこれからの管理職に求められるスキルとなるでしょう。

著者紹介:武田 正行(たけだ・まさゆき)

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1978年東京生まれ。A型。2008年10月入所。

2001年3月に大学を卒業し、民間の会社に就職をするが、その年に退職する。その後2002年4月から自動車整備の専門学校に入学し、2級ガソリン自動車整備士、2級ジーゼル自動車ガソリン整備士資格を取得、2004年3月に卒業。

2004年4月から2008年9月までハーレーダビットソンのディーラーで整備士として勤務していた。

2013年9月より、海外進出プロジェクトのメンバーとして、アジアを中心とした海外進出に必要な労務管理、社会保険についてのアドバイスを行っている。

現在は約20,000名の企業様の社会保険手続きや数万の企業の相談顧問を行っている。また、ハラスメント・コンプライアンス外部相談窓口のリーダーとして相談員の業務も行っている。


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