JR北海道「新幹線開業後」の明るい未来  札幌〜旭川間60分、札幌〜新千歳空港25分杉山淳一の「週刊鉄道経済」(5/6 ページ)

» 2024年04月13日 08時00分 公開
[杉山淳一ITmedia]

札幌〜新千歳空港間の高速化(中期経営計画以降の構想)

 道外からの来訪者のほとんどが、来道手段として航空機を利用しており、最も使用頻度が高い空港は新千歳空港だ。必然的に札幌〜新千歳空港間の「快速エアポート」の利用が多く、約12分間隔の高頻度運転になっている。停車駅数によって特別快速、快速、区間快速があり、最速の特別快速の所要時間は33分だ。北海道新幹線開業後は最速22分を目標とし、軌道強化や線形改良、最高速度向上、高架化による踏切解消などに着手する。

 途中の上野幌〜北広島間では前出の「北海道ボールパークFビレッジ」隣接駅の新設もあり、試合などの開催時には臨時列車も必要だ。新駅には通過設備も必要で、北広島駅は臨時列車折り返しのために線路配置の改良も必要となる。これらと併せて、札幌〜新千歳空港をまとめて改良しようという構想だ。

 なお、新千歳空港駅は大規模な改良を実施する構想もある。南千歳〜新千歳空港間を複線化し、線路を延長して、室蘭方面や帯広方面へ合流させる。線路配置はプラットホーム2面、線路4本として、折り返し列車と直通列車に対応する。これで札幌〜室蘭間や札幌〜帯広・釧路方面の特急列車も新千歳空港経由になる。帯広や釧路はすでに空港があるけれども、苫小牧、登別、室蘭方面は特急「すずらん」で新千歳空港へ直行できる。

新千歳空港駅を国際線ターミナル寄りに移転する(出典:18年5月18日の本連載「JR北海道の“大改造”構想 「新・新千歳空港駅」「ベースボールパーク新駅」」より再掲載)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.