新幹線札幌駅のホーム位置を巡る問題は、現在の駅から約200メートル東側にホームを設ける「大東案」で決着した。これを受けて札幌市は、冬季五輪の誘致年を2026年から30年に変更する意向を示した。その上で新幹線札幌開業を29年に前倒しを希望しているという。北海道新幹線建設については環境影響評価など諸手続きが済み、新技術を待つ必要がなく、建設予算と工数が日程を決める。工期は国が握っている。
札幌駅問題解決を受けて、JR北海道関連の報道に勢いがついている。北広島市の「ベースボールパーク新駅」構想には引き込み線方式の大胆案、新千歳空港駅にも大改造構想が立ち上がった。
JR北海道「新千歳空港駅」の大規模改修構想も明らかになった
函館本線の苗穂駅の駅舎移転開業日は11月17日に決まった。橋上駅舎となり、線路によって分断された地域は札幌市が整備する自由通路で往来可能とする。不便だった北口にはJR北海道の研修センター跡地があり、JR北海道はここに地上27階建てのマンションを建設し、マンション分譲事業を開始する。
苗穂駅の改築は13年に決定しており、マンション事業参入は18年4月に発表済みだ。JR北海道にも景気のよい話はある。しかし、不採算路線の解決問題、新幹線札幌駅問題の陰に隠れてしまっていた。今後、前向きなニュースが続きそうだ。JR北海道には、これを機に職員の士気向上、道民からの好感度を上げていく施策が求められる。
- 日本ハム本拠地移転、JR北海道はチャンスを生かせるか
日本ハムが本拠地球場を北広島市へ移転するという。新たな拠点はJR千歳線の線路ぎわだ。しかしJR北海道社長は新駅設置に慎重な姿勢と報道されている。素直に北広島市の歓迎ムードに乗じておけばイメージアップにつながるだろうに。残念な発言だ。
- 新幹線札幌駅、こじれた本当の理由は「副業」の売り上げ
JR北海道は、当初の予定だった現駅案を頑固に否定し続けた。主な理由は「在来線の運行に支障が出る」「プラットホームの広さを確保したい」としてきた。しかし、真の理由は他にある。「エキナカ、エキシタショップの売り上げが減る」だ。JR北海道の10年間の副業を守るために、新幹線駅は未来永劫、不便な駅になろうとしている。
- 北海道新幹線札幌駅「大東案」は本当に建設できるか
もめにもめた北海道新幹線札幌駅問題は、JR北海道が土壇場で繰り出した「大東案」で関係者が合意した。決め手は「予算超過分はJR北海道が負担する」だった。これで決着した感があるけれども、建設業界筋からは「本当に作れるか」という疑問の声がある。
- 北海道新幹線「札幌駅」地下案はダメ、ゼッタイ!
北海道新幹線の札幌駅プラットホームは、2012年に在来線プラットホームを転用する案で工事計画が認可された。しかし2年前の夏、JR北海道が原案をひっくり返してから大混乱に。このままでは妥協案として、かなり不便な地下駅になりそうだ。新幹線地下駅は北海道を死に導く。そこは、最善の選択ができなかった愚か者たちの棺おけも同然のハコになるだろう。
- フリーゲージトレインと長崎新幹線の「論点」
長崎新幹線(九州新幹線西九州ルート)の混迷が続く。JR九州はフリーゲージトレインの導入困難を公式の場で表明した。未完成の技術をアテにしたうえ、線路の距離に応じて地元負担額を決めるという枠組みが足かせになっている。実はこれ、長崎新幹線だけではなく、鉄道路線の建設・維持に共通する問題だ。
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