北海道新幹線の札幌駅問題が3月末に決着する見通しだ。2012年に工事実施計画が認可された案を、15年にJR北海道が「現駅案に加えて、地下案、東側案、西側案を追加」として事実上覆した。その理由は「認可案では在来線運行に支障が出る」だった。しかし、在来線運用の改善策を鉄道・運輸機構が提示しても承服せず、今度は「乗り換えに便利」という地下案を繰り出す。しかし、その地下案もコスト面、安全面で否定された。
札幌駅
JR北海道はまだ諦めない。18年2月4日、15年の東案を改良した大東案を提示。理由は「現駅案ではホームが狭く、急増する乗客をさばけない」だ。現駅案は2本の線路の間に島式プラットホーム1面を置き、幅は中央部約10メートル、端部が約7メートル。大東案は2本の線路の両側に対向式プラットホームを置き、乗車側の上りプラットホームは約10メートル、下り降車側プラットホームは中央部約14メートル、西端部は約11メートル、東端部は約6メートル。なるほど、と思える。
地元紙の北海道新聞も「上下分離で将来(旭川延伸時)の乗り間違いを防ぐ」などと小見出しを掲げ、JR北海道寄りの主張を載せる。利便性優位で現駅案を主張する鉄道・運輸機構からの情報は少ない。乗り換えの利便性や建設費を考えれば、現駅案は完成されており、これ以上の利点は挙げられない。JR北海道は必死に新案のメリットを掲げ、マスコミ、札幌市、北海道などへのロビー活動に熱心だ。鉄道・運輸機構は新案のデメリットの材料を持っているけれど、それを表に出そうとしない。見苦しいと思っているのか、何かの圧力だろうか。
鉄道・運輸機構が提出した認可案の見直し結果。在来線プラットホームに隣接し、地下鉄路線2本からも均等にアクセスできる。ただし、新幹線改札とコンコースは地上になり、現在の店舗スペースを壊す形になる(出典:北海道新幹線建設促進北海道・札幌市調整会議資料)
北海道新幹線「札幌駅」地下案はダメ、ゼッタイ!
北海道新幹線の札幌駅プラットホームは、2012年に在来線プラットホームを転用する案で工事計画が認可された。しかし2年前の夏、JR北海道が原案をひっくり返してから大混乱に。このままでは妥協案として、かなり不便な地下駅になりそうだ。新幹線地下駅は北海道を死に導く。そこは、最善の選択ができなかった愚か者たちの棺おけも同然のハコになるだろう。
「札幌駅に北海道新幹線のホームを作れない」は本当か?
JR北海道が「北海道新幹線の札幌駅は在来線に隣接できない」と言い出した。既定路線の撤回であり、乗り換えの利便性も低下する。札幌市と建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が反発している。JR北海道の言い分「在来線の運行に支障がある」、これは本当だろうか。駅の線路配線図とダイヤから検証してみよう。
なぜ時刻表に“謎ダイヤ”が存在するのか
鉄道の時刻表を調べる際、スマホで検索している人が多いだろうが、実は紙の時刻表をじっくり見ると、興味深い情報がたくさんある。例えば、実際に走っていない特急が走っていることも。どういうことか。『JTB時刻表』の大内編集長に、謎ダイヤの真相を聞いた。
JR北海道は縮小よし、ただし線路をはがすな
JR北海道が自社で単独維持が困難な路線を発表した。総距離で1237キロメートル。単独維持可能な線区は1151キロメートル。それも沿線自治体の協力が前提だ。しかし本来、幹線鉄道の維持は国策でなされるべきだ。自治体に押し付けるべきではない。
きっぷをカプセルトイで売ってはいけない、なぜ?
JR北海道の新十津川駅で、地元有志が鉄道ファン向けにきっぷを販売した。JR北海道から正式に購入し、「ガチャガチャ」などと呼ばれるカプセルトイの自販機できっぷを販売するというユニークな手法で話題になったが、JR北海道から中止を求められた。これは観光ビジネスにとって教訓になりそうな事例だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.