北海道日本ハムファイターズの本拠地移転に伴う「ベースボールパーク新駅」については、北広島市が請願駅として構想に組み込んでいた。請願駅とは、地域の要請に応じ、地域が費用を負担して駅を建設、列車を止めてもらおうという趣旨だ。鉄道事業者の負担は少ない。しかしJR北海道は積極的な姿勢を見せていない。(関連記事:日本ハム本拠地移転、JR北海道はチャンスを生かせるか)
しかし、後述の通り、JR北海道が新千歳空港改良構想を描いていた。これでJR北海道の態度も理解できそうだ。JR北海道は「後ろ向きな赤字路線対策」「前向きな新規開発計画」の両方で案件が多すぎる。優先順位の問題である。何かを特別に前に進めるためには、物心両面の助けが必要だ。
北海道新聞の4月27日の報道によると、ベースボールバーク新駅について、北広島市とJR北海道が協議した結果、引き込み線方式が浮上した。また、副案として北広島駅にプラットホームを増設し、列車の両側から乗降可能とする方法も検討するという。
引き込み線方式は大胆なアイデアだ。記事でも指摘されているように約100億円の費用がかかる。北広島市が負担できるか、JR北海道も一部負担できるかにかかっている。もともとは北広島市が千歳線本線上の駅設置を前提としており、JR北海道がダイヤ過密を理由に難色を示した。大都市の鉄道利用者から見れば、千歳線程度で過密とは……と思う。しかし、JR北海道がダイヤ改善に伴う費用より引き込み線案がいいと推すならば、そこはJR北海道の負担がスジだろう。
ベースボールパーク新駅(引き込み線案)を『A列車で行こう9』で作画した想像図(報道された案をもとに作成)。本線から複線で分岐し、終端駅を設置する (C)ARTDINK.All Rights Reserved.本線上の駅とする場合、増発列車の車両を北広島駅側に用意する必要がある。増発せずに既存の快速エアポートを停車させる場合は輸送容量が足りない。快速エアポートは新千歳空港駅のプラットホームに合わせて6両編成となっている。空港利用客で混雑している。そこで、北広島駅に空の車両を待機させて、快速エアポートに増結する。
私は増結対応が落としどころだろうと思っていた。快速エアポートを全て増結するなら車両の製造費も膨大だ。しかし、最小限の増結用車両を製造し、北広島駅で待機させておけば、試合終了のタイミングに合わせて増結できる。
ベースボールパーク新駅(本線上案)を『A列車で行こう9』で作画した想像図(私案)。最も簡易な構造だが、本線上に停車するため他の列車に影響する (C)ARTDINK.All Rights Reserved.
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フリーゲージトレインと長崎新幹線の「論点」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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