「生ドーナツ人気」をブームで終わらせるのはもったいない、これだけの理由スピン経済の歩き方(5/7 ページ)

» 2024年04月17日 06時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

外国人も絶賛する日本のラーメン

 例えば、発祥の地である中国の人も「日本食」として称賛している「日式ラーメン」が分かりやすい。しょうゆ、味噌(みそ)、塩、とんこつという大まかなカテゴリーはあるが、基本的に日本のラーメンはそれぞれの店で味や作り方がまったく異なる。

 「天下一品」も「ラーメン二郎」も「日高屋」もみな「ラーメン」という同じカテゴリーだが、そのレシピも味もてんでバラバラで、スープも麺も具材も店によって個性が強い。この多様性こそが実は日本食の最大の強みであり、外国人観光客はその奥行きの深さにとりこになるのだ。

天下一品の「こってりラーメン」(出典:天下一品公式Webサイト)

 ここまで言えば、筆者が「生ドーナツ」に大きなポテンシャルを感じている理由が、なんとなくご理解いただけるのではないか。

 生ドーナツもラーメンと同じく、かっちりとした定義やレシピはない。かつて各家庭の「母の味」だったようにメーカーや専門店が好き勝手味や食感を編み出してクオリティーも大きなばらつきがある。

 ということは、ラーメンのように大化けする可能性もある。つまり、定番スイーツとして日本人から永きにわたって愛されつつ、外国人観光客からも「多様性のある日本菓子」として支持されるかもしれないというわけだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.