「Lumadaができたころは、『Lumadaはいくらで売っているのですか』と聞かれたことがありました(笑)。当初は難解だったかもしれないですし、説明するのも難しかったですね。プロダクトというよりは、私たちのビジネスモデルであり、一つの考え方だと思っています」
谷口氏は、Lumadaが始まった当初をこう振り返る。もともとLumadaは、電力や鉄道など社会インフラを最適に動かす制御や運用の技術であるOT(Operational Technology)やITの実績と、最新のテクノロジーを搭載したIoTプラットフォームとして出発した。その後は、顧客の課題解決に向き合う中で、日立の強みを生かす形に進化させてきた。
「テクノロジーが非常に速いスピードで進化していく中で、何かを実現するための手段はどんどん変わってきました。その状況でも、お客さまや社会の課題は常に存在し続けています。その課題を、社会インフラを堅牢に支える当社のコアを使って解決していくこと、さらに私たちの強みでもあるOT、IT、プロダクトを組み合わせて、目の前にある課題を解決していくことを、私たちにとっての普遍の価値と定義しました。その価値を生み出すために、Lumadaではフレームワークを作って、中身を常に変化させながら進化しています」
進化を続けたLumadaは現在、事業を成長させるための4つのステップを確立している。
最初のステップは顧客の課題を理解するデジタルエンジニアリング。ユーザーや顧客の視点を起点にソリューションを見いだすデザイン思考によって課題を見つけ、IT、OT、プロダクトで解決方法を創出する。
次のステップが、課題を解決するシステムをクラウド上などに構築して実装するシステムインテグレーション。続くステップであるコネクテッドプロダクトでは、システムとプロダクトをつなげて運用の遠隔化や自動化を行う。
4つ目のステップのマネージドサービスは保守にあたる。システムの運用を高度化させて、顧客自身が事業に注力できるようにすると同時に、蓄積された運用データを分析して新たな課題を見つける。このサイクルをデータで回すことによって価値を提供し続けるのが、Lumadaの循環型のビジネスモデルだ。
「必ずデジタルエンジニアリングから始まるわけではありませんが、一周ぐるっと回していくと、マネージドサービスのところにデータが集まってきて、いろいろなインサイトが出てきます。このインサイトを使って、次のサービスデザインを考えます。このサイクルを2周目、3周目と回すことで、お客さまのビジネスやサービスのレベルが上がり、お客さまの顧客に対してもより深く刺さるビジネスモデルを構築することが可能になります。段階的にスパイラルアップして進化していくことを、お客さまとともに追い求めているのがLumadaの現在のフェーズです」
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