2月に実施した新商品説明会で、イオントップバリュの土谷社長は、2023年に発売したミレニアル・Z世代向け商品が好調だったと語っている。クラフテルの他、上期に発売した時短用のレディミール「もぐもぐ味わうスープ」も好調だったという。
トップバリュブランド50周年にあたる2024年度は、ミレニアル・世代にフォーカスしたいとしており、上記のように年明けから新商品投入が相次いでいるのも、若者を狙った商品の好調が背景にあると考えられる。従来のトップバリュらしいシンプルな商品をメインとしつつ、若年層狙いの商品は今後も増えていくのだろう。
とはいえ実のところ、これまでの商品は若者以外にも売れているかもしれない。上記で紹介した商品について、イオンは若者受けが良かったなどと明かしているが、年齢別の実数値は公表していない。
そもそもトップバリュ全体の主要顧客層は50〜60代だ。話がやや横道にそれるが、若者受けを狙って店舗のイメチェンを進めたメガネのパリミキは、若年層も来店するようになったばかりか、既存の客層も離れずむしろ高評価を受けたという。同様に、若者を意識したトップバリュの商品デザインが幅広い客層から評価されている可能性もある。
そして、機能面においては年齢層を問わずアルコール離れが進んでおり、クラフテルは一定の需要が想定される。核家族化や共働きの定着で手間のかからないワンプレート系冷凍食品の需要が高まる中、ガッツリ飯×ガッツリ飯シリーズの需要が底堅くあることも容易に考えられるだろう。若者受けはうたい文句に過ぎず、むしろ他の年齢層がメインの購買客である可能性も否定できない。
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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