さて、このような話を聞いていると、なぜ今、マック店員による「客への反撃」が増えているのかと疑問に思う人もいらっしゃることだろう。
「カスハラ」が社会問題化しているとはいえ、日本のサービス業ではまだまだ「お客さま」を丁重に扱うことが美徳とされる。それは日本の外食サービス業を代表するマックも然りで、冒頭で触れた「スマイル0円」のように、「いつでもお客さまを笑顔でお迎えする」ことを掲げて、2019年には客の対応を専門とする「おもてなしリーダー」というスタッフまで新設したほどだ。
しかし、そんな建前とは裏腹に現実の店舗では、高齢客の小言にブチギレ、迷惑行為をする配達員に帰れとピシャリ。迷惑行為をする中学生のいる学校を名指しで出禁、という感じで、これまで必死に抑え込んでいた怒りを爆発させるかのように、マナーの悪い客、生意気な客に「反撃」をするスタッフが増えている。現場で「何かの異変」が起きていると考えるべきだろう。
いろいろな意見があるだろうが、個人的にはこの現象にはマックが長く掲げてきた「スマイル0円」が、いよいよ時代にマッチしなくなってきて、現場の疲弊がピークになっているからだと思っている。
それを分かっていただくには、まずそもそも「スマイル0円」とは何かということを知っていただく必要がある。
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