GMO「新卒年収710万円」1期生のAI研究者が語る未来 「技術の進歩は、予想を超える」教えて!あの企業の20代エース社員(2/3 ページ)

» 2024年05月29日 07時00分 公開
[仲奈々ITmedia]

研究は面白い。でも、研究成果が実用化に結びついたら、もっと面白い

 杜さんは、まるでゲームのように研究を楽しんでいた。そのまま研究者として進む道もあっただろうに、なぜ民間会社への就職を選んだのだろうか。

 「確かに、AIの研究は面白いです。でも、技術が実用化につながったら、もっと面白い。また、AIは分野によってデータの形式や分析方法が変わります。私は、いろんな分野を見てみたかった。さらに欲を言えば、データ量が多いと、深い研究ができそうだな、と思っていました。これらの希望を全て叶えられるのが、GMOインターネットグループだったんです」

 丸1日かけて面接やプレゼンを行うなど、ハードな選考が特徴の新卒年収710万プログラム。杜さん曰く、「準備は非常に大変だった」そうだが、これまでの研究成果が技術面だけでなくビジネス面からも高く評価され、無事内定を勝ち取った。

 入社後、アカデミアを離れ“ビジネスパーソン”としての研究がスタートした。長年研究に打ち込んできたが、環境の違いによるギャップはあったのだろうか。

 「例えば学生の場合は、月に1回程度何かしらの成果をあげていれば、ある程度自分のペースで研究できます。でも、ビジネスだとそうはいきません。毎日のようにPDCAを回して、報告をして、週に1回は成果を見せる。そのためには、自分の趣味嗜好で研究するのではなく『何が成果につながるか』『そのためには、何を優先して何を切り捨てるか』を判断し続けなければいけません。求められる思考や、スピード感が全然違いましたね」

杜博見さん

 また、学生時代は研究の関係者が狭かったが、会社員になってからはステークホルダーが一気に広がった。

 「私が所属するグループ研究開発本部では、GMOインターネットグループ内に数多くある、グループ会社のプロジェクトを扱っています。グループ会社の方とはいえ、社外の方と関わる機会も多いんです」

 杜さんは「最初は戸惑った」と打ち明ける。

 「学生時代は、同じ研究に携わっている仲間内への説明で事足りたけれど、今は違います。AIをほぼ知らない方に、研究内容や目的をお伝えする場面も多い。どうしたらコミュニケーションがスムーズにとれるか悩みましたね。

 ただ、チームの先輩たちのコミュニケーションの取り方がとにかくすごくて。今は、先輩のプレゼンを見て学んだり、業務の合間を縫って教わったりしています」

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