さて、気になるのはビジネスモデルである。カプセルホテルで取得したデータを使って、どのようにして“もうけ”ようとしているのか。
ここからの話も壮大である。カプセルホテルを起点にして、睡眠に関わる複数の業界との連携である。例えば、医療機関であれば、睡眠データを提供することによって、患者の診断に役立つかもしれない。睡眠不足の人がいれば、寝具メーカーからの広告出稿があるかもしれない。データを匿名にして、食品メーカーと一緒に新商品の開発に携われるかもしれない。
このほかにもビジネスアイデアはたくさんあるようだが、机上の空論で終わらせないためにもいろいろと試していくことが大切と考えているようだ。
もちろん、課題もたくさんある。現状、睡眠データはあくまでも客観的なデータにすぎないので、医学的な“お墨付き”を得ているわけではない。太鼓判を押してもらうには、まだまだ乗り越えなければいけないハードルがあって、そのためにも大量のデータが欠かせないのである。
睡眠データを取得できるホテルをどんどん増やしていって、2027年にはグローバルで1000万人のデータを取得したいという。売り上げは2030年までにヘルスケア関連で300億円を見込んでいる。
ホテルといえば、たくさんの人に泊まってもらうために、さまざまな取り組みをしている。朝食をおいしくしたり、部屋を豪華にしたり、季節ごとに特別プランを用意したり。NTTデータが始めようとしている宿泊施設は、これまでのホテルとはちょっと違っていて、目的は「行動変容」と「社会課題の解決」である。
これまで経験したことがない事業を始めるので、担当者は“寝ても覚めても”ホテルのことばかり考えているかもしれない。稼働率が安定して、データをしっかり取得できるようになれば、”枕を高くして眠れる”……といったところだろうか。
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