マクドナルドの値上げが続いています。2022年の3月の値上げ以降、すでに5回の値上げが実施されました。
ネットでは「値段がほぼ同じなら質の良いであろうモスへ行きたい」「マクドナルドの割安感がなくなった今、選択肢にない」といった、これまでマクドナルドを利用していた消費者がモスバーガーへ流れることを示唆する辛辣な投稿が散見されました。
実際には、どれくらいの消費者が“マック離れ”を起こしたのか、明らかにしていきます。
2022年3月・9月、2023年1月・7月、2024年1月と、2022年以降にマクドナルドが実施した値上げは計5回。その頻度はもちろんのこと、値上げのアプローチや絶妙な金額設定も世間の注目を集めています。
例えば2023年7月には、三大都市圏の都心部を中心とした184店で、最大90円の値上げを行いました。
マクドナルドではこれまで、空港や駅、遊園地、SAといった特殊な立地や都心の一部の計約40店舗で、賃料や人件費といった店舗運営コストを勘案し、他店舗と異なる価格設定をしてきました。
標準価格で提供する「通常店」より高価格な「都心店」を増やした他、両者の中間的な位置付けの「準都心店」を新たに設定。最寄り駅が同じ店舗でも価格が異なるケースもあると、テレビでも大きな話題となりました。
例えば、ビッグマックの場合、通常店は450円ですが、準都心店は470円、都心店は500円といった具合です。ちなみに、レギュラー商品のハンバーガーやチーズバーガー、エッグチーズバーガー、チキンチーズバーガーなど、どの店舗区分でも同一価格の商品も併存しています。
値上げの話題が尽きないマクドナルドですが、今回着目したいのは、モスバーガーとの価格差です。モスバーガーは2023年3月24日を最後に値上げを実施していません。マクドナルドとの価格差はどんどん縮まってきています。
例えば、マクドナルドのテリヤキマックバーガーは400円、モスバーガーのテリヤキバーガーは430円と、わずか30円の差になりました。以下のメニュー表をパッと見比べても、そこまで価格差を感じることはないでしょう。
これに対しSNSなどでは、価格差が縮まった今、品質面からモスを選びたいという意見が多数派のようです。これが事実だとすると、マクドナルドからモスバーガーへ多くの消費者が流れていることになります。
これらの情報は、どの程度現実に符号しているのでしょうか。実際に、消費者の動向は変化しているのでしょうか? 当社では実際に、一般消費者を対象にアンケートを実施しました。
まず現在のように、両社の「テリヤキバーガー」単品の価格差が30円である場合、63.1%の消費者がマクドナルドを選択するという結果となりました。
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