コンビニおにぎりに「巨大化」トレンド たこ焼き、つけ麺風の変わりダネの登場も納得の背景長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/5 ページ)

» 2024年07月06日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

 コンビニのおにぎりが大型化している。より正確に表現すると、通常のおにぎりに加えて「大きなおにぎり」という新しい分野が成長し、活況を呈しているのだ。

 大きなおにぎりは各社が近年になって販売し始めたのではなく、2000年ごろにすでに登場していた。当時から一部のファンに愛好されていたが、コロナ禍以降に物価が上がって売れるようになったという意見が、コンビニ各社から出ている。比較的少額で空腹を満たせるコストパフォーマンス(コスパ)意識が、大きなおにぎりにとって追い風になっているのだ。

コンビニ各社の巨大おにぎりとは?(提供:ゲッティイメージズ)

 若年層を中心に根強いタイムパフォーマンス(タイパ)志向も追い風だ。要は「食事にかける時間がもったいない」という意識の下、手早く空腹を満たせる大きなおにぎりが売れている。

 大きなおにぎりの特徴として、複数の具材が入ったものが主流になっている点が挙げられる。例えばのり弁当や幕の内弁当といった「弁当のおにぎり化」はトレンドの一つである。

 今回は、こうした大きなおにぎりについて、主要コンビニ各社の取り組みをまとめていく。

「スパム」に「サンド」 豊富なジャンルをそろえるファミマ

 まずはファミリーマートから。同チェーンで大きなおにぎりを代表する商品は「SPAMむすび」(320円)だ。ファミリーマートでは、スパムを使ったおにぎりを沖縄県の宮古島限定で「ポーク玉子おむすび」として2000年に発売。その後、2007年には沖縄県全域に取り扱いを拡大し、今では定番として親しまれている。

 こうした実績を踏まえ2021年8月に登場したSPAMむすびは、首都圏の一部店舗限定で発売したところ好評を博し、再販売を望む声が大きかったという。そこから、全国展開となった。宮古島から小さく展開して、ついには全国的なヒット商品へと出世したまれなケースである。

ファミマの「SPAMむすび」(320円)
SPAMむすびの断面(出所:ファミリーマート、公式Webサイト)
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